2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経・グリア・筋内異常線維形成の各形成段階に関与する蛋白質の探索研究
Project/Area Number |
14570600
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片山 禎夫 広島大学, 病院, 助手 (00211160)
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Keywords | α-sunuclein / tau / p62 / kallikurein / 異常線維形成 |
Research Abstract |
神経変性疾患のうち、パーキンソン病、多系統萎縮症(MSA)はα-synucleinが神経、グリア細胞に異常線維を形成して集積している。一方、進行性核上性麻痺、ピック病などはtauが神経、グリア細胞に異常線維を形成して集積している。これらの線維形成のメカニズムを解明することで、治療への仮説を提唱できる。一昨年度、ヒト脳に生じる異常線維の形成を、剖検脳標本を用いて観察し、各異常線維の形成段階を分類した。昨年度には、形成に関与している蛋白としてp62を新規同定し、それぞれの形成段階に対する役割を明らかにしてきた。今年度は、各形成段階にある異常線維の分解物質と予測されるkallikurein(KLK)familyに注目して組織化学法を用いて検索した。 パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、ピック病脳のパラフィン包埋もしくは、4%パラホルムアルデヒド包埋切片に対して、抗KLK-6、KLK-7、KLK-11抗体を用いて、各異常線維構造との関連性を検討した。異常リン酸化tauが主に形成している線維に各KLKは染色されなかった。しかし、α-synuclein陽性の異常線維の中でも、MSAのグリア内封入体(GCI)の一部のみKLK-6陽性であった。疾患によってKLK-6の関与は明らかに異なる事が明らかになった。KLK-6が関与するMSAのGCI形成について、今後、その理由を検討し、MSAの診断的、治療的マーカーとなりうる事が推測された。
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