2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニコチン性アセチルコリン受容体発現機構と神経細胞形質・ストレス耐性との関連
Project/Area Number |
14570614
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
槍沢 公明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00244913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長根 百合子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10306003)
山形 宗久 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00295974)
|
Keywords | angiotensin II / AT1 / AT2 / candesartan / proten kinase C δ / hypoxia / Cell death |
Research Abstract |
最近,angiotensin II(Ang II)受容体タイプ1(AT1)阻害薬であるcandesartanが、降圧作用と独立して脳保護作用を有する可能性が報告されている。candesartanがAng IIによる低酸素性神経細胞障害増強を抑制するか否か、また、これに関わるシグナルは何かを検討した。 コントロール(無添加)、Ang II(10,100nM)添加、Ang II(100nM)+candesartan(1μM)添加、Ang II(100nM)+AT2受容体阻害薬PD133319(10μM)添加のPC12細胞を準備し、低酸素負荷(2%酸素,12h)を与え、その前、直後、6h、12h、24h、48h後に回収し検討に用いた。細胞障害の検討にはTUNEL法を用いた。またWestern blottingを行い、protein kinase Cδ(PKCδ)、リン酸化PKCδの経時発現を比較検討した。さらにdominant-negative PKCδを定常発現するPC12細胞(PKCδ^<K376R>pEF1)を用いて、PKCδの関与を検証した. Ang IIの添加は低酸素負荷後のTUNEL陽性細胞(24h,48h)比率(%)を濃度依存性に増加させた。candesartanはこれを抑制したが、PD123319は抑制しなかった。また、Ang II添加により、PKCδのリン酸化が亢進した。Ang II+candesartan添加細胞、Ang II添加PKCδ^<K376R>pEF1では、Ang IIによるPKCδリン酸化が抑制され、TUNEL陽性細胞比率増加(24h,48h)も抑制されたが、A II+PD123319添加細胞では両者とも抑制されなかった。 これらの結果から、Ang IIによる低酸素性神経細胞障害増強にはPKCδが関与しており、candesartanはAT1阻害を介しこれらを抑制することが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)