2002 Fiscal Year Annual Research Report
低流速下における培養ヒト脳微小血管内皮細胞への血小板の粘着・凝集
Project/Area Number |
14570616
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
棚橋 紀夫 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10124950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60296556)
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Keywords | p-selectin / 血小板粘着 / 脳微小血管内皮細胞 |
Research Abstract |
【目的】既に我々は、活性化血小板が培養血管内皮細胞への直接粘着・凝集する現象をビデオ強化型(VEC)顕微鏡で動的観察した。今回はこれらの粘着・凝集現象に対する分子機構を明らかにする目的でP-selectinの関与を検討した。 【方法】ヒト脳微小血管内皮細胞(human brain microvascular endothelial cell : HBEC)を観察用カバーグラス上に,confluentな状態に培養し,VEC顕微鏡の観察台に装着した。VEC顕微鏡は、倒立型Nomarski顕微鏡、微分干渉対物レンズ、CCDカメラ、画像処理装置からなり、拡大率3000倍で観察した。また健常人より採血した多血小板血漿(PRP)を作成した。実験(1):PRPをHBEC上を30分間灌流(shear rate 10/sec)し,洗浄後、HBECに粘着した血小板数を定量評価した(A群,n=8))。実験(2):PRP+ADP(2μM)をHBEC上を30分間灌流(shear rate 10/sec)し,洗浄後、HBECに粘着した血小板数を定量評価した(B群,n=10)。実験(3)PRPを抗P-selectinモノクローナル抗体(12.5μg/mlで前処置しADP(2μM)を加え同様の観察を行った(C群,n=8)。【成績】HBECへの平均粘着血小板数は、A群;0.2±10.1/900μm^2,B群では12.3±2.7/900μm^2(P<0.01,vs A群)、C群;2.9±1.7/900μm^2(P<0.01,vs B群)であった。【結論】上記結果は、P-selectinがADP刺激による活性化血小板の低流速下での培養ヒト脳微小血管内皮細胞への直接粘着・凝集現象に関与していることを示唆している。
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