2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570618
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平澤 恵理 順天堂大学, 医学部, 講師 (50245718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 基之 順天堂大学, 医学部, 助手 (90338393)
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Keywords | パールカン / 神経筋接合部 / アセチルコリンエステレース / ミオトニア / Schwartz-Jampel症候群 |
Research Abstract |
基底膜タンパク質であるパールカンは多様な生物学的活性をもつ多機能細胞外マトリックスとして知られ、筋細胞をとりまく基底膜にも存在し、特に神経筋結合部(NMJ)には多く局在する。また、パールカン分子の生物学的機能の一つに、NMJ特異的な非対称型アセチルコリンエステレース(AChE)のコラーゲン様ドメインと結合することが知られている。それゆえ、パールカンはNMJにAChEを結合、集束させることにより、神経筋の興奮とその解除を速やかに調整する機能を持つ可能性が考えられる。我々はヒト遺伝性疾患Schwartz-Jampel症候群でのパールカン分子の異常を報告したが、そのミオトニアの発症機序を解明するため、パールカン欠損マウスの神経筋接合部の解析を中心に以下の結果を得た。 1.筋の一般病理。筋の分化、成熟につき、一般組織化学染色、筋分化マーカー(MHC等)を用いた免疫染色を行いパールカン欠損による筋発生、分化の大きな異常はなかった。 2.発生段階にて末梢運動神経の分岐、支配が正常に行われているかを形態的に観察した。横隔膜を用いて、末梢神経を抗neurofilamentH抗体,神経終末を抗synaptophisin抗体で染色し、NMJをアセチルコリン受容で特異的に結合するαブンガロトキシン(BT)でラベリングした神経終末が筋と正常に神経筋接合部を形成しているかを検討した。AChE以外の分子はNMJで集束し、BTと共存していた。AChEのみがNMJで欠損しパールカンがAChEの集束に必須であることが解った。 現在以下の実験を進行中である。 1.NMJの形態、分子機構を解析する。筋線維あたりのNMJの数の検討、サイズの統計学的検討、電顕を用いた神経終末およびNMJの形態観察、NMJ分子(アグリン、パールカン、ラミニン、アセチルコリンエステレース、アセチルコリン受容体、ラプシン、ユートロフィン等)の集束を蛍光抗体を用いてマークし共焦点レーザー顕微鏡での分析を行う。 2.針筋電図や、MEPPの記録による電気生理学的検討を行う。このためにパールカン欠損マウスの致死性をレスキューするマウスの系を確立し、成長後の検討を試みる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Arikawa-Hirasawa E, Le AH, Nishino I, et al.: "Structural and functional mutations of the perlecan geno cause schwartz-jampel syndrome, with myotonic and chondrodysplasia"American Journal of Human Genetics. 70. 1368-1375 (2002)
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[Publications] Arikawa-Hirasawa E, Rossi SG, Rotundo, RL, Yamada Y.: "Absence of acetylcholinesterase at the neuromuscular junctions of perlecan-null mice"Nature Neuroscience. 5(2). 119-123 (2002)
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[Publications] Arikawa-Hirasawa E, Yamada Y: "Perlecan mutations in mice and humans : critical role of perlecanin skeletal development and disease"Acta myologica. XXSeptember. 134-137 (2002)
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[Publications] Arikawa-Hirasawa E, Wilcox WR, Yamada Y: "Dyssegmental Dysplasia, Silverman-Handmaker Type : Unexpected role of perlecan in cartilage development"American Journal of Medical Genetics. 106. 254-257 (2002)