2002 Fiscal Year Annual Research Report
頸椎症性ミエロパチーのエビデンスに基づく電気生理学的診断法の確立
Project/Area Number |
14570621
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
園生 雅弘 帝京大学, 医学部, 講師 (40231386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
所澤 安展 帝京大学, 医学部, 助手 (30256052)
畑中 裕己 帝京大学, 医学部, 助手 (40322458)
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Keywords | 頚椎症 / 針筋電図 / 体性感覚誘発電位 / 正中神経 / 脛骨神経 / 頚椎症性ミエロパチー |
Research Abstract |
本年度より、頚椎症・ALS症例の針筋電図のデータ収集を開始し、頚椎症患者15例、ALS患者6例の針筋電図記録をDATテープに保存し、将来の解析に備えた。また、針筋電図所見データベースの設計を完了し、アルバイト者(関口氏)の手伝いを得て、データベースのデータ入力を開始したところである。 SEPについては、研究協力者二浦孝顕の協力を得て、脛骨神経SEPの健常者65名のデータ収集を完了したので、それについて身長・年齢・性などの被検者要因を説明変数とする重回帰を用いた統計学的解析を行った。これより被検者の身長・年齢などの値から脛骨神経SEP各成分の潜時や振幅の正常値を求めるノモグラムを確立した。このような厳密な正常値の報告は過去にないものである。また、1991年に園生が新たに報告した、脛骨神経SEPのP15成分が、高齢者においても安定して出現し、末梢神経・脊髄疾患を評価する指標として極めて有用に用いることができることが確認できた。以上の研究成果は雑誌Clinical Neurophysiologyにacceptされ掲載予定である。この成果は今後の頚椎症患者の評価に利用できるものと考える。 また、所澤・園生は頚椎症と手根管症候群などの末梢性ニューロパチーとの鑑別において有用な検査である、正中神経の感覚神経伝導検査において、橈骨神経SNAPの波及という新たなpitfallを発見し、これについて報告した。 研究協力者澤田幹雄(自治医科大学神経内科)と園生らは、頚椎症やALSと多巣性運動ニューロパチーとの鑑別に運動神経伝導検査のA波が有用であることを報告した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miura T: "Establishment of standard values for the latency, interval and amplitude parameters of tibial nerve somatosensory evoked potentials (SEPs)"Clinical Neurophysiology. (in print).
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[Publications] Sonoo M: "New attempts to quantify Concentric Needle Electromyography"Muscle Nerve. Suppl 11. S98-S102 (2002)
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[Publications] 所澤安展: "橈骨神経SNAPの波及:手根管症候群の正中神経順行性感覚神経伝導検査におけるpitfall"臨床神経生理. 31. 37-43 (2003)
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[Publications] 澤田幹雄: "筋萎縮性側索硬化症と多巣性運動ニューロパチーの鑑別におけるA波の役割"臨床脳波. 44. 773-778 (2002)
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[Publications] 園生雅弘: "針筋電図によるレベル診断"脳の科学. 24. 1067-1074 (2002)
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[Publications] 園生雅弘: "ミオパチーの神経生理学的診断"脳の科学. 24. 1163-1170 (2002)