2004 Fiscal Year Annual Research Report
SOD1変異マウス(G93AおよびH46R)の病理学的検討
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14570623
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 彰一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40119962)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / SOD1変異 / G93A変異SOD1導入マウス / aggregates / 電顕 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
目的:家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の動物モデルであるG93A変異CU/Zn superoxide dismutase (SOD1)導入マウスを用い、脊髄にみられる変異SOD1を含む凝集体の超微細構造およびその分布状況を明らかにし、これらの凝集体がこのマウスの病態機序に関与しているか検索した。対象と方法:比較的コピー数の少ない(10コピー)G93A変異SOD1導入マウスの脊髄を、前発症期から発症期まで経時的に、免疫組織学的に、また電顕および免疫電顕を用いて観察した。結果:前発症期から、SOD1およびユビキチン陽性の凝集体が主に前角のニューロピルや帯状に腫大した軸索内でみられ、経時的にその頻度は増加した。電顕では、凝集体は基本的にニューロフィラメントよりもやや太い線維から成り、ときに中心部に電子密度の高い芯がみられた。凝集体は主に前角の近位部軸索を含めた神経突起の中にみられ、細胞質内や樹状突起内にも稀にみられた。発症期には、これらの凝集体は灰白質のみでなく、程度は軽度であるが白質全体にみられた。前発症期と比較して、芯を有するより大きなレビー小体様の封入体がしばしば帯状に腫大した軸索内に認められた。電顕では、凝集体はしばしばニューロフィラメントの蓄積した腫大した軸索内にみられ、中心部にはしばしば電子密度の高い芯が観察された。免疫電顕では、これらの凝集体にSOD1およびユビキチンの金粒子の沈着がみられた。疎な線維から成る凝集体よりも密な線維から成る凝集体に、より多くの金粒子の沈着がみられた。結論:この動物モデルでは、SOD1陽性の凝集体が前発症期から主に軸索内に認められ、経時的に増加してみられたことから、この凝集体は軸索流の傷害を引き起こし、さらには神経細胞の変性の病態機序に関与しているものと推察される。
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Research Products
(7 results)