2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の病態による冠微小循環機能障害の検討:微小循環機能改善へのアプローチ
Project/Area Number |
14570631
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石坂 浩 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90291244)
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Keywords | 微小循環 / 冠細小動脈 / アンギオテンシン / 内皮機能 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画 本年度は冠細小動脈の内皮機能、アンギオテンシンレセプターを介する血管拡張に対する糖尿病の病態の影響を調べた。 【対象】糖尿病モデルとしてはtype II糖尿病を自然発症するOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty rat(OLETF)を使用し、対象としてLong-Evans Tokushima Otsuka rat(LETO)を使用した。OLETFの糖尿病の発症は第24週齢においてOGTTを行い確認し、第38〜40週齢において実験を行なった。 それぞれのラットの摘出心から顕微鏡下に冠細小動脈を切除し、両端にマイクロピペットを挿入、Videomicroscope法により血管内径の変化を観察した。先ずアセチルコリンによる冠細小動脈の内皮機能を調べた。次にアンギオテンシンタイプ1レセプター阻害剤投与下にアンギオテンシンII、またはCGP42112A(アンギオテンシンタイプ2レセプター刺激薬)による血管内径の変化を観察した。さらにアンギオテンシンIIによる血管拡張に対するPD123319(アンギオテンシンタイプ2レセプター阻害薬)、LNAMEの効果を調べた。またニトロプルシドによる血管内径の変化も観察した。 アセチルコリンによる冠細小動脈拡張はOLETFにおいて減弱していた。アンギオテンシンIIおよびCGP42112A拡張はOLETFにおいて亢進していた。PD123319、LNAMEはアンギオテンシンIIの拡張作用を減弱した。ニトロプルシドによる拡張はOLETF、LETOにおいて同等であった。これらの結果よりアンギオテンシンタイプ2レセプターによる冠細小動脈拡張はNOを介しており、2型糖尿病の病態において亢進していることが示唆された。
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