2002 Fiscal Year Annual Research Report
循環器疾患に対する運動療法と循環器薬の併用効果に関する検討
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14570633
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南 尚義 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80333821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 豊 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90250779)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Keywords | 運動療法 / 降圧薬 / 高血圧 / 自律神経機能 |
Research Abstract |
運動と降圧薬との間に降圧効果・自律神経機能等に対する効果について併用効果があるのか、またそれらは降圧薬の種類によって異なるのかを高血圧自然発症ラット(SHR)を用い検討した。また性差にも注目し女性ホルモンとの関係についても研究を始めた。1 運動とβ遮断薬の併用効果を5週齢のSHRを安静群、運動群、β遮断薬投与群、併用群に分け検討した。高血圧の進展は拘束下tail-cuff法を用いた血圧測定では、安静群に比べ運動群、β遮断薬投与群で有意に抑制され、併用群では運動群、β遮断薬投与群に比べ更に有意に抑制された。一方、17週齢時予めカテーテルを留置したラットに対し非拘束下・安静時に血圧測定ならびに自律神経機能を測定した時の血圧・心拍数は運動群、β遮断薬投与群で有意に低かったが併用群で更なる低下は認められなかった。自律神経機能は運動群、β遮断薬投与群で交感神経成分の減弱ならびに副交感神経成分の亢進を認めたが両者併用群では更なる変化を認めなかった。以上の結果より、運動とβ遮断薬の併用効果は安静時にははっきりしないが拘束下のようなストレス下で明らかになる可能性が示された。2 運動とアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の高血圧に対する併用効果を7週齢のSHRを安静群、運動群、ACE阻害薬投与群、併用群に分け検討した。7週齢のSHRは収縮期血圧170mmHg程度の高血圧を呈し、以降安静群では高血圧は更に進展したがACE阻害薬投与群で有意にその進展が抑制された。しがし運動群では安静群と比べ差を認めなかった。 併用群でもACE阻害薬投与群に比べ更なる降圧効果を認めなかった。以上の結果より、少なくともある程度高血圧が進展した状態では血圧に対しACE阻害薬投与と運動の併用効果は得られ難いことが示唆された。
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Research Products
(1 results)