2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管内膜障害における平滑筋細胞増殖の分子生物学的機序解明と遺伝子治療
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14570644
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
角田 恒和 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (30262190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (90313858)
磯部 光章 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80176263)
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Keywords | 動脈硬化 / 平滑筋 / 副刺激 / T細胞 / ノックアウトマウス / セレクチン / 接着分子 / NFκB |
Research Abstract |
(1)ラットでの検討:Eセレクチンの関与について検討をした。フローチャンバー内での好中球とラット内皮細胞の接着阻害実験では、E-セレクチン抗体によるローリングと接着の阻害が認められた。しかし、頸動脈擦過モデルでの抗体投与実験では有意な内膜肥厚の抑制は認められなかった。同時に行ったP-セレクチン抗体による阻害実験では、フローの抑制がみられず、逆に内膜肥厚の抑制は認められた。この対照的な結果は、二つのセレクチンの役割の違いを示唆するもので、P-セレクチンと血小板の関与が関係しているものと推察された(論文投稿中)。 (2)マウス大腿動脈内膜肥厚モデルの作成:副刺激阻害やJAK3阻害剤の効果を検討する目的で本モデルを作成した。すなわち大腿動脈内に細いガイドワイヤーを通過させることで内膜障害を作り、内膜肥厚を引き起こすモデルである。コントロールのマウスでは2週後に著明な肥厚を認め、現在実験を継続中である。 (3)T細胞活性化抑制にかかわる副刺激分子と免疫グロブリンとの結合蛋白作成:北海道大学上出教授との共同でCTLA4Ig、ICOSIg、HVEMIgを作成し、ラットに投与可能な蛋白の生成を行った。一部マウスモデルに投与を開始しており、効果を検討中である。現在ICOSノックアウトマウスを入手し、繁殖中である。このモデルで内膜肥厚を検討し、またAPO-Eノックアウトマウスとの交配で得られるダブルノックアウトマウスにおける動脈硬化について検討を行う準備を行っている。 (4)NFκBデコイ:冠再狭窄予防のための臨床試験に向けての予備実験として、ブタを冠動脈造影下でchannel balloonを用いて、FITC-ODNの投与実験を行い、至適投与量の検討を行った。本臨床試験に関わる倫理委員会への申請を行った。
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