2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞における小胞体ストレス応答のシグナル機構
Project/Area Number |
14570652
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡邉 裕司 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50262803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80314029)
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30293632)
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Keywords | アポトーシス / 血管内皮細胞 / カルシウム / 小胞体ストレス / カスパーゼ |
Research Abstract |
【目的】前年度研究において、血管内皮細胞におけるアポトーシスの出現には、細胞内Ca濃度の上昇よりも、小胞体内のCa枯渇が重要であること。また、Caspase-12(C-12)非依存的なアポトーシスシグナル経路が存在することが示唆された。平成16年度研究では、caspase inhibitorとcalpaln inhibitorを用い、thapsigargin刺激時およびBAPTA/AM(20μM)で前処置しBK刺激を行った際に生じるアポトーシスについて検討した。 【方法】細胞内Ca濃度はira-21AM負荷法を測定した。アポトーシスはDNA Ladder法を、C-12の活性化はWestern blotting法を用いて判定した。 【成績】Calpain inhibitorであるMDL28170(120μM)存在下で、thapsigargin(2μM)投与時のC-12の活性化は抑制されたが、アポトーシスは出現した。非選択的なcaspase inhibitorであるzVAD-fmk(100μM)存在下で、thapsigargin投与時のC-12の活性化とアポトーシスはともに抑制された。また、BAPT/VAM(20μM)の前処置下でBK刺激を行った際に生じるC-12非依存的なアポトーシスもzVAD-fmk(100μM)は抑制した。 【結論】1)C-12によるアポトーシスシグナル経路の上流にはcalpainが位置し、2)thapsigarginによるアポトーシスの出現には、C-12依存的な経路と、caspase依存的ではあるがC-12非依存的な経路が存在すること、3)小胞体Ca枯渇によって生じるアポトーシスは、caspase依存的ではあるがC-12非依存的なシグナル経路を介することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Nitric oxide : inhibitory effects on endothelial cell calcium signaling, prostaglandin 12 production and nitric oxide synthase expression.2004
Author(s)
Takeuchi K, Watanabe H, Tran QK, Ozeki M, Sumi D, Hayashi T, Iguchi A, Ignarro LJ, Ohashi K, Hayashi H
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Journal Title
CARDIOVASCULAR RESEARCH 62
Pages: 194-201