2002 Fiscal Year Annual Research Report
経静脈心筋コントラストエコー法における冠動脈支配領域の選択的染影法に関する研究
Project/Area Number |
14570667
|
Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
大森 浩二 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00263913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舛形 尚 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70263910)
水重 克文 香川医科大学, 医学部, 助教授 (90166009)
河野 雅和 香川医科大学, 医学部, 教授 (20153489)
雪入 一志 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30346647)
高木 雄一郎 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20346646)
|
Keywords | 微小気泡 / 超音波 / elastic modulus / 流速 / パワーハーモニックドプラ法 |
Research Abstract |
超音波により微小気泡を選択的に破壊することが、本研究の基本原理として重要であることから、まず、気泡の超音波感受性についての検討を行った。すなわち、殻の脆弱性を規定するelastic modulus(EM)のみの異なる2種類の気泡をそれぞれ流路モデルに灌流し、流れが垂直に貫通する断面(流れの短軸断面)をセクター型探触子で描出した。この際、短間隔(33msec)および長間隔パルス(1sec)による描画をそれぞれ行い、その輝度の差(x : acoustic unit)と、その時の流速(y : mm/sec)の関連を調べた。この輝度の差と流速が負の相関を示すことは、我々の検討から明らかにされていたが、今年度の研究で、この関係が示される範囲が、気泡の殻の脆弱性によって規定されていることが判明した。すなわち、殻のEMが0.4MPaの気泡は流速18-75mm/secの範囲でy=-0.59x+40.3の関係を示したが、18mm/sec以下の低流速では流速に関係なく、一定値を示した。また、EMが16MPaの硬い気泡は、流速<30mm/secの範囲でy=-0.61x+16.8の関係を示したが、高流速では定値を示した。以上より、冠動脈起始部に選択的に超音波を照射して気泡を効率的に崩壊させるためには、殻の脆弱な気泡が望ましい反面、血流速度の低い選択的染影心筋分画での潅流の定量解析には、一定の強度の殻を有した気泡が必要であることが判明した。さらに、臨床例で、レボビストとパワーハーモニックドプラ法による心筋染影法について、本研究に適した描出断面を調べた。探触子を固定したまま複数領域の染影を1断面内に同時に描出しうる症例は比較的限られていた。このため、関心領域を描画野の中央に捉えるべく、探触子位置を調節し、灌流領域を個別に描出したところ、限られた気泡最大投与範囲内で、その定量解析まで可能であることが分かった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Yuichiro Takagi, Koji Ohmori, et al.: "Quantitative Assessment of Coronary Stenosis by Harmonic Power Doppler with a Simple Pulsing Sequence and Vasodilator Stress in Patients"Journal of the American College of Cardiology. Vol41(in press). (2003)
-
[Publications] Koji Ohmori, Isao Kondo, et al.: "Effect of Microbubble Fragility on Transit Rate Measurement by Contrast Echography"Ultrasound in Medicine and Biology. Vil29(in press). (2003)