2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接触による血管内皮細胞の増殖停止に関わる細胞内シグナル伝達網の解明
Project/Area Number |
14570675
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平野 真弓 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80336031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 勝也 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80291516)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 細胞間接着 / p27^<Kip1>遺伝子 / プロモーター領域 / 転写活性 / 増殖停止 |
Research Abstract |
血管内皮細胞が細胞間接触の形成に伴い増殖を停止する際にp27^<Kip1>タンパク質の発現が増加する。この発現増加は、p27^<Kip1>遺伝子の転写の活性化によることを報告した。本研究は、細胞間接触によるp27^<Kip1>遺伝子の転写活性化機構に重要なプロモーター領域ならびに転写調節因子を明らかにすることを目的とした。ブタゲノムライブラリーより得た、p27^<Kip1>遺伝子全長を含むクローンの翻訳開始点より上流約3000bpの領域をレポーター遺伝子(ホタルルシフェラーゼ遺伝子)の上流に組み込んだレポータープラスミドを作製した。プロモーター活性を、ダブルルシフェラーゼ(ホタルおよびウミシイタケ・ルシフェラーゼ)法で解析した。異なる細胞密度で植え付けしたウシ血管内皮細胞にレポータープラスミドを導入し、導入24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。ウミシイタケ・ルシフェラーゼ活性を形質転換効率の指標とし、ウミシイタケ・ルシフェラーゼ活性に対するホタル・ルシフェラーゼ活性の比を用いて、p27^<Kip1>遺伝子プロモーター活性を相対的に評価した。細胞密度が高く、より強固な細胞間接触が形成された場合には、細胞密度が低く、細胞間接触の形成が不十分な場合と比べて、p27^<Kip1>遺伝子のプロモーター活性は増加した。このプロモーター活性の増加は、翻訳開始点の上流2039bpまでの領域で認められたが、上流2537bpまでの領域では認められなかった。 また、血管内皮細胞にフォークヘッド転写因子を導入しルシフェラーゼ活性を測定すると、p27^<Kip1>遺伝子のプロモーター活性の増加が認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hirano M, Hirano K, Nishimura J, Kanaide H: "Transcriptional Up-regulation of p27^<Kip1> during Contact-Induced Growth Arrest in Vascular Endothelial Cells"Exp Cell Res. 271. 356-367 (2001)
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[Publications] Ihara E, Hirano K, Hirano M, Nishimura J, Nawata H, Kanaide K: "The mechanism of down-regulation of L-type Ca^<2+> channel in the proliferating smooth muscle cells of rat aorta"J Cell Biochem. 87. 242-251 (2002)
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[Publications] Hirano K, Zeng Y, Hirano M, Nishimura J, Kanaide H: "Sequence requirement for nuclear localization and growth inhibition of p27^<Kip1R>, a degradation-resistant isoform of p27^<Kip1>"J Cell Biochem. (in press). (2003)