2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本人高血圧患者における夜間低酸素血症の血圧日内変動と臓器障害に及ぼす影響:プロスペクティブ臨床研究
Project/Area Number |
14570688
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 講師 (60285773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 和幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (90145128)
三橋 武司 自治医科大学, 医学部, 講師 (60275675)
村田 光延 自治医科大学, 医学部, 助手 (10326853)
星出 聡 自治医科大学, 医学部, 助手 (90326851)
江口 和男 自治医科大学, 医学部, 助手 (80364503)
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Keywords | 高血圧 / 睡眠時無呼吸症候群 / 血圧日内変動 / 高血圧性臓器障害 / 高血圧性心疾患 / 高血圧性脳血管障害 / 夜間血圧 / 早朝高血圧 |
Research Abstract |
睡眠時無呼吸症候群は脳卒中の危険因子とされている。本年度はハイリスク患者170名を対象として夜間低酸素状態と無症候性脳梗塞、頚動脈プラークの関連を検討した。対象者は1)健診時血圧高値 2)高コレステロール血症 3)ECG上の左室肥大 4)ヘモグロビンA_<1C>【greater than or equal】6.5% 5)蛋白尿の存在 6)中心性肥満 7)喫煙 8)アルコール多飲 9)脳卒中家族歴の内、3つ以上を有する者とした。対象者170名(平均年齢67.4±9歳)に対し、夜間パルスオキシメーター、頭部MRI,頚動脈超音波、心エコーを行い、そのうちパルスオキシメーターの記録状態が良好な146名を解析対象とした。3% oxygen desaturation index(3%ODI.にSPO_2が3%以上低下をする低酸素イベント回数/時間)5.6回/時(4分位)をカットオフ値とし、対象者を夜間低酸素群(Q4,36名)と夜間非低酸素群(Q1-3,110名)に分けた。頭部MRI検査で評価した無症候性脳梗塞(SCI)の頻度は(57%vs.35%,P=0.03)であり、夜間低酸素群で有意に高かった。SCIの数は年齢(r=0.23,P<0.01),収縮期血圧(r=0.196,P<0.05),3%ODI(r=0.318,P<0.001)といずれも有意な相関を示した。年齢、性、BMIなどの他の交絡因子を補正して多変量解析を行ったところ、夜間低酸素[オッズ比(95%信頼区間)=2.42(1.10-5.30),P=0.026]、収縮期血圧[10mmHg増加:オッズ比(95%信頼区間)=1.22(1.00-1.48),P=0.048]の2者がSCIの独立した規定因子であった。頚動脈プラークスコアーは年齢(r=0.354,P<0.001)、男性(r=0.243,P<0.001)、クレアチニン(r=0.184,P<0.05)に加え、3%ODI(r=0.172,P<0.05)も有意な正相関を認めた。結論として、1)ハイリスク患者の約25%に夜間パルスオキシメーターで夜間低酸素血症が検出された。2)夜間酸素血症は無症候性脳血管障害や頚動脈プラークの規定因子であった。無症候性脳梗塞および頚動脈プラークはいずれも将来の脳卒中発症のリスク予測因子であることから、心血管リスクが集積する患者において夜間SpO_2低下は脳卒中リスクを増加させると考えられる。
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Research Products
(7 results)