2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570724
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
皆川 真規 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50333464)
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Keywords | Gsα蛋白 / GNAS1 / DNAメチル化 / 副甲状腺ホルモン / 腎近立尿細管 / 偽性副甲状腺機能低下症 |
Research Abstract |
表題の研究をおこなうため、Gsα蛋白遺伝子(GNAS1)の転写調節領域のDNAメチル化異常に起因すると考えられる偽性副甲状腺機能低下症Ib(PHP-Ib)において3つのプロモーター領域におけるDNAメチル化の状態、および尿細管由来細胞におけるGNAS1遺伝子の発現パターンを検討した。DNAメチル化の検討ではPHP-IbにおいてGNAS1プロモーター(NESP55およびエクソン1A領域)に異常を認め、偽性副甲状腺機能低下症Iaと臨床上類似点を示すものにおいてもDNAメチル化の異常を認めた。IaとIbの病因の区別においてこの方法が有用であることを示した。このうち、すべての領域においてDNAメチル化が父性アリルパターンであった3例のうち2例で、甲状腺刺激ホルモンの軽度上昇、診断時に精神発達遅滞および軽度の中手骨短縮を伴うことが判明し、メチル化パターンの違いが臨床像に差異をもたらしている可能性が示された。次に、変異Gsα遺伝子が母系遺伝した場合にのみ副甲状腺ホルモン(PTH)不応性をきたす事実から、PTHの標的組織である腎近位尿細管におけるGsα蛋白の発現は母系アリル優位であると考えられているため、PHP-Ib由来の尿中落下細胞(近位尿細管由来と考えられる)を用いて両アリルの発現に差があるかRT-PCRにより検討した。結果は両アリルの偏りのない発現がみとめられ、腎近位尿細管での単アリル性発現にはDNAメチル化のみならず高度な分化によるtrans-acting elementの発現を必要とすることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Minagawa M et al.: "Functional significance of AAAG repeat polymorphism in the P3 promoter of the human parathyroid hormone(PTH)/PTH-related peptide receptor gene"J Clin Endocrinol Metab. 87・4. 1791-1796 (2002)
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[Publications] Kazukawa I, Minagawa M et al.: "The standard ratio of upper segment length to lower segment length according to spina malleolar distance in Japanese children"Clin Pediatr Endocrinol. 11・suppl17. 41-44 (2002)
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[Publications] Minamitani K, Minagawa M et al.: "A 9-year-old girl presenting central precocious puberty with polycystic ovary syndrome"Clin Pediatr Endocrinol. 11・2. 77-86 (2002)
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[Publications] 渡辺智之, 皆川真規: "Ca感知受容体活性型変異による家族性副甲状腺機能低下症"日本臨床. 60・2. 331-337 (2002)
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[Publications] 皆川真規, 安田敏行, 渡辺智之, 数川逸郎, 河野陽一: "偽性副甲状腺機能低下症IbにおけるGNAS1遺伝子転写調節領域のDNAメチル化異常"ホルモンと臨床. 50・12. 1223-1228 (2002)