2002 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子C/EBPαとβを用いた肝芽腫の発癌メカニズムと肝芽細胞の分化の研究
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14570726
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
富澤 稔 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90334193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 章 千葉県がんセンター, 研究局生化学研究部, 部長 (50117181)
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Keywords | 肝芽腫 / 肝癌 / 肝芽細胞 / 肝細胞分化 / 転写因子 / リアルタイム定量PCR / アデノウィルスベクター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
肝芽腫では肝細胞の分化が肝芽細胞で停止し、肝癌では肝細胞が未分化になる脱分化によって癌化すると考えられている。そこで、肝細胞の分化を促進する転写因子CCAAT/enhancer binding protein (C/EBP)αとC/EBPβの発現を解析した。インフォームド・コンセントを得て凍結保存した肝芽腫および肝癌手術標本より抽出されたRNAを、リアルタイム定量PCR法で発現量を定量した。腫瘍部では非腫瘍部と比して、肝芽腫ではC/EBPαは発現が増加、C/EBPβは低下していた。免疫組織学的にも同様の結果が得られた。同一腫瘍内では、分化度が低下するほどC/EBPαの発現は増強し、C/EBPβは減弱することが明らかになった。予後との相関では、肝芽腫ではC/EBPαの発現が増加するほど、C/EBPβは低下するほど、生存期間が短かった。肝癌では、腫瘍部では非腫瘍部に比して、C/EBPαとC/EBPβ、ともに発現が低下していた。両遺伝子とも発現が低下するほど、生存期間が短かった。したがって、両遺伝子とも肝芽腫および肝癌に対し、診断と予後推定のmolecular markerとして臨床的に有用と考えられた。肝芽腫では、C/EBPβの発現が低下して肝芽細胞の分化が停止して癌化し、C/EBPαは分化を促進するために発現が増強するものと考えられる。また肝癌では、成熟した肝細胞のC/EBPαとC/EBPβの発現が低下して脱分化し、癌化するものと考えられた。目下のところC/EBPαとC/EBPβのアデノウィルスベクターを作成中であり、肝芽腫細胞株に感染させて、分化誘導を試み、肝細胞分化の分子生物学的メカニズムの解明と、肝芽腫に対する遺伝子治療の可能性を解析する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomizawa M, (2名), Nakagawara A, (1名): "Downregulated expression of the CCAAT/enhancer binding protein a and b genes in human hepatocellcularcarcinoma : a possible prognostic marker"Anti-cancer Res.. (印刷中).
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[Publications] Tomizawa M, (4名), Nakagawara A, (1名): "Expression of the CCAAT/enahncer binding protein α gene, involved in hepatocyte proliferation, was decreased in human hepatocellular carcinoma"Int. J. Mol. Med.. 9巻6号. 597-600 (2002)