2002 Fiscal Year Annual Research Report
各種白血病での白血病幹細胞の同定とその生物学的特性(正常幹細胞との差異)の解明
Project/Area Number |
14570743
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 純一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00238156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 弘之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
松田 佳子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60343258)
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Keywords | ABCG2 / 白血病 / 幹細胞 |
Research Abstract |
A.白血病幹細胞の同定とその生物学的特性の検討 ●当研究室で樹立した、比較的若い白血病細胞株(T細胞性急性リンパ性白血病で発症し、再発時に骨髄系の表現型を示した細胞を株化したもの)を、SP phenotypeの責任遺伝子であるABCG2の発現の有無に基づいて、cell sortorを用いて分別した。この細胞株においてABCG2は約1%に発現していた。回収された細胞の培養を試みたが、ABCG2陽性細胞はほとんどが死細胞で、培養することができなかった。ABCG2陰性細胞はviabilityに問題がなかったことから、抗ABCG2抗体に問題がある可能性があり、検討中である。 B.正常造血細胞や白血病細胞におけるABCG2の発現の検討 ●正常造血細胞、各臓器および各種小児白血病細胞をRT-PCR法および抗ABCG2抗体を用いてFACSで解析した。正常抹消血ではT細胞にやや強いABCG2の発現を認めたがB細胞や単球にも弱い発現がみられた。骨髄では赤芽球に優位な発現を認めた。各臓器でもユビキタスに発現を認めた。各種白血病細胞でもはば広く発現がみられ、発現の有無と臨床的予後の間にあきらかな相関は認めなかった。 今後の予定 (1)正常造血幹細胞や白血病幹細胞が存在するとされるCD34陽性CD38陰性分画をsortingし、分別した細胞を用いて、in vitroでCFU assay、LTC-IC assayを行う。また、SCID/NODマウスに移植し、in vivo腫瘍形成能を評価する。 (2)白血病幹細胞と同じphenotypeをもつ正常幹細胞からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いて発現遺伝子の差異を検討する。 (3)白血病幹細胞を用いたコロニーアッセイに各種抗がん剤を添加し、正常幹細胞をコントロールとして白血病コロニーの発育を有効に抑制する薬剤を同定する。
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