2003 Fiscal Year Annual Research Report
各種白血病での白血病幹細胞の同定とその生物学的特性(正常幹細胞との差異)の解明
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14570743
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 純一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00238156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 弘之 大阪大学, 医学系研究科, 助手
橋井 佳子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60343258)
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Keywords | 白血病幹細胞 / MONO-7 / CD34+ CD38- / マイクロアレイ |
Research Abstract |
白血病幹細胞の同定とその生物学的特性の解明 (背景) 急性骨髄性白血病(AML)やB細胞性急性リンパ性白血病(ALL)では、白血病幹細胞が正常造血幹細胞と同じCD34^+CD38^-分画に属することが報告された。正常造血幹細胞と異なり、白血病幹細胞の研究はその臨床的重要性にもかかわらずほとんど行われていない。そこで、白血病幹細胞に着目し、その生物学的性質を解明することにより、効率的な白血病治療を目指す。 (方法) 当研究室で樹立した細胞株MONO-7(初発時T細胞性ALL、再発時に骨髄系の表現型を示した細胞を株化したもの)に着目し、CD34+CD38-分画とCD34+CD38+分画を比較検討することにした。まず磁気細胞分離システム(MACS)によりCD38陽性細胞をpositive selectionした。Selectionの純度を上げるために異なるクローンの抗CD38抗体を2種類用いるなどの工夫をした。MACSにより得られるCD38陰性分画は、CD38を低発現している細胞を含むので、さらにFACS Vantageを用いてCD38陰性分画をソーティングした。このようにして得られたCD38陽性、陰性分画を用いてコロニーアッセイを行った。 (結果) 白血病細胞によるコロニー数は、CD38陰性分画が陽性分画に比べ有意に多かった。また、CD38陰性分画に含まれる細胞は、c-MPLなど正常幹細胞に発現のみられる表面マーカーを発現していた。 (今後の予定) CD38+/-分画に分け、マイクロアレイを行う。白血病幹細胞と正常造血幹細胞との予想される差異は、サイトカイン産生能、サイトカインレセプター、細胞内シグナル伝達系遺伝子発現、接着分子、細胞周期関連分子、多剤耐性遺伝子発現、抗がん剤に対する薬剤感受性などである。また、SCID/NODマウスに移植し、in vivo腫瘍形成能を評価する。
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