2004 Fiscal Year Annual Research Report
血友病A遺伝子治療における凝固動態および活性化機構に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14570761
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
嶋 緑倫 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30162663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00201616)
櫻井 嘉彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80347559)
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Keywords | 第VIII因子 / 血友病A / 凝固波形 / トロンビン生成 |
Research Abstract |
本年度の研究では、遺伝子治療における発現第VIII因子の凝固動態への影響を検討するために凝固波形解析の有用性を明らかにするために凝固波形における各種パラメーターがトロンビン生成を反映するかについて検討を行った。トロンビン生成の測定については血漿にレプチラーゼを添加して脱フィブリノゲン化した第VIII因子欠乏血漿および第IX因子欠乏血漿に各種濃度の純化第VIII因子あるいは第IX因子を添加して、脱フィブリン血漿と合成リン脂質とを混和後、塩化カルシウムおよびトロンビン発色基質(S2238)を添加して比色定量を行った。トロンビン生成の定量的評価は最大トロンビン生成速度、最大トロンビン生成率到達時間をパラメーターとして算出して行った。凝固波形は検体血漿をCa再加時間および活性化部分トロンボプラスチン時間を行い、その凝固過程の透過度の変化をリアルタイムにモニタリングして最大凝固速度、加速度を算定した。第VIII因子欠乏血漿では1-100%の活性の範囲で凝固速度および凝固加速度はトロンビン生成パラメーターと良好に相関した。さらに0-1.0%の微量域でも相関がみられた。第IX因子欠乏血漿を用いた実験でも1-100%の範囲のみならず0-1.0%の微量域において第VIII因子欠乏血漿と同様に凝固波形解析とトロンビン生成反応におけるパラメーターは良好に相関した。 以上の検討により、凝固波形により微量な第VIII因子あるいは第IX因子の評価が可能であるとともに、1.0%未満の通常の凝固1段法では検出困難な微量第VIII因子あるいは第IX因子の凝血学的意義が明らかになった。
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Research Products
(7 results)