2003 Fiscal Year Annual Research Report
染色体数不安定性を引き起こす新規ウイルムス腫瘍抑制遺伝子の同定
Project/Area Number |
14570774
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
鈴木 英明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20206519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60160595)
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Keywords | 異数染色体 / 染色体不安定性 / ウィルムス腫瘍 / チェックポイント / セントロメア / 有糸分裂 |
Research Abstract |
本研究で用いた細胞及びDNAは患児の両親の承諾を得て採取、解析を行った。 レトロウィルスライブラリーを用いたMosaic variegated aneuploidy type 1A(MVA1A)原因遺伝子の相補性クローニングは結局うまくいかなかった。1次スクリーニングでは16の候補遺伝子を得たが、2次スクリーニングでは何れの還伝子もMVA1A細胞の有糸分裂異常を正常化させることはできなかった。原因はいくつか考えられるが、Monastrolを用いたセレクションの不確実さと、ライブラリー品質の悪さによると考えている。 一方、並行して行ったMVA1Aの有糸分裂制御機能の詳細な解析からは、次の2つの新しい知見が得られた。 (1)紡錘糸形成チェックポイントは正常に機能しているが一過性であること(オーバーライドしてしまう)。 (2)紡錘糸形成チェックポイントが機能している時点で、姉妹染色分体の分離が起きている。以上の結果からMVA1Aの病態は紡錘糸形成チェックポイント機能そのものの異常ではなく、セントロメア及び動原体の機能異常であることがわかった。 この結果を元に、セントロメア/動原体機能に関与することが知られている遺伝子群(CENP-A, CENP-C, HP-1α,Ndc80,Nuf2,AuroraB, Survivin, INCENPなど)の変異解析を行ったが現在までに責任変異を同定することはできていない。研究期間後半よりセントロメア/動原体機能に関与する下等動物遺伝子のヒト相同遺伝子を網羅的にクローニングすることを試みてきた。このうち分裂酵母のShugoshin、ショウジョウバエMei-S332と一部ホモロジーを示す、新規ヒトセントロメア機能関連蛋白をクローニングし、この遺伝子をRNAiでノックダウンすると姉妹セントロメアの早期分離をおこすことを突き止めた。
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