2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫における発現遺伝子の網羅的解析と治療および診断に有用な分子標的の同定
Project/Area Number |
14570777
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永田 俊人 日本大学, 医学部, 助手 (80339332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 泰夫 日本大学, 医学部, 助手 (30339329)
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80183648)
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Keywords | 小児 / 固形腫瘍 / 神経芽腫 / マイクロアレイ法 / Differntial display法 / 遺伝子発現 / 網羅的解析 / トランスレーショナル・スタディ |
Research Abstract |
In Vitro系の確立およびデータ・マイニング法の確立(永田・高橋):今回の研究では、mRNA発現プロフィールを網羅的に解析するため、目的とする情報を抽出するのに適切な実験系と、大容量のデータから短時間で必要な情報を抽出するデータ・マイニング法を確立する事が必要である。そこで我々は、大腸癌細胞株SW620に対し5-FUを加えて培養を行い、経時的に得られた遺伝子発現プロフィールから、5-FUに対し応答を示す遺伝子群を絞り込むデータ・マイニング法の確立を行った。5-FUを加えないコントロール群に対し、5-FUを加えた群で発現量が3倍以上の変動を示す遺伝子の中から、公的および私的データ・ベースを参照したデータ・マイニング法を用いて、今回の研究のtargetとなる遺伝子を、VDUP1に絞り込んだ。QRT-PCR法を用いて、腫瘍細胞株および臨床検体におけるVDUP1の発現量を検討したところ、VDUP1は5-FUを添加した細胞株で発現量が統計学的有意に上昇し(P<0.01)、大腸癌の臨床検体では、癌部は非癌部に対して発現量が統計学的有意に低く(P<0.0001)、臨床病期の進行に伴って発現量が統計学的有意に減少する事がわかった(P<0.01)(Takahashi Y et al.,2002;Ikarashi M et al.,2002)。これまでに我々は、神経芽腫の臨床検体を用いた発現解析から、臨床的に有意義な情報を抽出できる事を示した(Nagata T et al.,J Surg.Res.,92:267-275,2000)。今回の実験により、腫瘍細胞株を用いた実験系からでも、適切なデータ・マイニング法と臨床検体を用いた解析を併用すれば、臨床的に有用な発現遺伝子の同定が可能である事が示された。今後は、臨床検体からだけではなく、腫瘍細胞株を用いた実験系も加えて、解析を行いたいと考えている。 神経芽腫腫瘍組織の発現解析(永田・高橋):採取した新鮮腫瘍組織よりTotal RNAを抽出し、0.9%アガロース・ゲルを用いて電気泳動を行うと同時に、実際にcDNAの合成やcRNAの合成を行った後電気泳動を行い、収集したサンプルが、今後のDifferential Display法やGeneChipシステムを用いた解析に耐えうるかどうかを検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takahashi Y et al.: "Up-regulation of vitamin D_3 up-regulated protein 1 gene in response to 5-fluorouracil in colon carcinoma SW620"Oncology Rep.. 9. 75-79 (2002)
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[Publications] Ikarashi M.et al.: "Vitamin D_3 up-regulated protein 1 (VDUP1) expression in gastrointestinal cancer and its relation to stage of disease"Anticancer Res.. 22. 4045-4048 (2002)
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[Publications] Takahashi Y.et al.: "Clinical application of oligonucleotide probe array for full-length gene sequencing of TP53 in colon cancer"Oncology. 63. 54-60 (2003)