2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14570790
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山川 和弘 理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, チームリーダー (30241235)
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Keywords | ラフォーラ病 / 進行性ミオクローヌスてんかん / てんかん / EPM2A / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
ラフォーラ病は、刺激誘起性ミオクローヌス、間代硬直発作などを特徴とし、運動失調、精神機能の退行を伴う進行性で重篤なてんかんであり、10歳から18歳で発症し多くの患者は発症後10年以内に死亡する。ポリグルコサンを主体とするラフォーラ小体と呼ばれる凝集体が、脳、肝臓、皮膚など広い組織で認められる。今のところ有効な治療法は無い。原因遺伝子としてEPM2Aが報告されており、以前我々はEPM2Aがデュアルフォスファターゼであるラフォーリンをコードすることを明らかにしている。 本課題において我々はフォスファターゼ領域をコードするエクソンをターゲットとしたノックアウトマウスの作成に成功し、このマウスが、1.生後2ヶ月で広い範囲の神経組織において細胞変性を示すがラフォーラ小体の形成はこの時点ではさほど認められないことこと、2.4-12ヶ月でラフォーラ小体の蓄積が顕著に認められるようになること、3.ラフォーラ小体がユビキチンおよび、AGEP陽性であること、4.変性した細胞はアポトーシスの特徴(DNAフラグメンテーション、TUNEL陽性)を示さないこと5.9ヶ月頃より、ミオクローヌス発作とそれに伴う脳波異常を示すようになること、等を明らかにし、報告した。これらの知見は、発症メカニズムの解明に大きく役立つものである。又、我々はイーストツーハイブリッド法・substrate trap法を用いてラフォーリンに結合する蛋白・基質の候補を複数同定し、現在、その確認と結合の機能的意味を探っており、immunoliposome法を用いた遺伝子治療についても検討を重ねている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ganesh, Yamakawa et al.: "Targeted disruption of the Epm2a gene causes formation of Lafora inclusion bodies, neurodegeneration, ataxia, myoclonus epilepsy and impaired behavioral response in mice"Human Molecular Genetics. 11. 12515-1262 (2002)
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[Publications] Ganesh, Yamakawa et al.: "Genotype-phenotype correlations for EPM2A mutations in Lafora's progressive myoclonus epilepsy: Exon 1 mutations associate with an early onset cognitive deficit subphenotype"Human Molecular Genetics. 11. 1263-1271 (2002)
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[Publications] Ganesh S, Suzuki T, Yamakawa K: "Alternative splicincr modulates subcellular localization of laforin."Biochem.Biophys.Res.Commun. 291. 1122-1124 (2002)