2004 Fiscal Year Annual Research Report
進行性ミオクローヌスてんかん発症機構に関する神経病理学的検討
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14570792
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
林 雅晴 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00280777)
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Keywords | 進行性ミオクローヌスてんかん / ラフォラ病 / 神経性セロイド・リポフスチノーシス / 免疫組織化学染色 / 酵素標識免疫吸着測定法 / 酸化的障害 / 興奮性アミノ酸毒性 / GABA系神経 |
Research Abstract |
平成14・15年度は、進行性ミオクローヌスてんかん(PME)の病因として本邦での発生頻度が高い遺伝性歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症剖検脳での病理学的検討を行い、脳幹部では神経伝達物質、神経ペプチド、カルシウム結合蛋白にPME特有な異常所見を認めないのに対して、大脳辺縁系を含む大脳皮質ではGABA作動性の抑制性神経細胞の指標であるカルシウム結合蛋白表出がPME症例優位に認められことを明らかにした。本年度は、遺伝性歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症に次いで発生頻度の高いPMEの原因疾患であるラフォラ病と神経性セロイド・リポフスチノーシスに関して、剖検脳での免疫組織化学的解析に加えて、共同研究を行っている都立府中療育センターに入所している患者さんから同意の下、提供された生体資料(尿・血液)での酵素標識免疫吸着測定法(ELISA)による予備的検討を行った。ラフォラ病の神経変性においては、アポトーシスによる神経細胞死は明らかではなかったが、グルタミン酸トランスポーターの表出の選択的障害がみられ、興奮性アミノ酸毒性の関与が示唆された。また、剖検脳での免疫組織化学的検討と尿を用いたELISA解析によりDNAの酸化的障害により産生される8-hydroxy-2'一deoxyguanineの増加が確認され、酸化的障害のラフォラ病神経変性への関与が示唆された。一方、神経性セロイド・リポフスチノーシスでは、罹病期間の長さに比例してGABA作動性の抑制性神経細胞の減少がみられけいれんの重症度と関係する可能性が示唆された。一方、グルタミン酸トランスポーターの表出低下はカルシウム結合蛋白の障害より軽度であり、興奮性アミノ酸毒性に比べGABA系神経の障害がより高度であると推定された。以上の研究成果は、いずれも、2005年5月に開催される第46回日本神経病理学会(於宇都宮)と第47回日本小児神経学会(於熊本)で発表予定である。
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Research Products
(3 results)