2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570794
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山本 明美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30241441)
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Keywords | セリンプロテアーゼ / 層板顆粒 / ネザートン症候群 / デスモゾーム / カリクレイン / カテプシン / デスモグレイン / 角化異常症 |
Research Abstract |
1.表皮角化細胞が分化の過程で産生する蛋白のうち主に層板顆粒によって輸送され、分泌されるものについて検討した。その結果、カリクレインに属するセリンプロテアーゼ2種、デスモゾーム成分となるコルネオデスモシン、ライソゾーム酵素として知られるカテプシンDはいずれも角層細胞間脂質を提供するセラミドの前駆体とともに層板顆粒によって輸送されることが明らかになった。しかし、個々の分子は独立した顆粒として互いに混じることなく、また、時期を違えて運送、分泌されていた。これにより細胞内でデスモゾーム成分の分解などがおきないように仕組まれているものと考えられた(J Invest Dermatol,122:1137,2004)。 2.表皮のセリンプロテアーゼインヒビターであるLEKTIの局在を検討したところこれも層板顆粒によって運搬、分泌されることを明らかにした(J Invest Dermatol, in press)。その際、LEKTIの基質であるカリクレインはLEKTIよりも産生と輸送、分泌が遅れてなされており、カリクレインによるデスモゾームの分解が角層下部では始まらないように調整する機構として働いていると考えられた。また、LEKTIの欠損による遺伝的角化異常症であるNetherton症候群ではデスモゾームの異常解離がおきていることも明らかにした。 3.Netherton症候群のモデル動物であるLEKTIノックアウトマウスを作成し、ここでもデスモゾームの異常な解離がおきており、これはデスモゾーム構成要素であるデスモグレイン1の分解亢進によるものであることを明らかにした(Nature Genetics 37:56,2005)。
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