2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
照井 正 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30172109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 麻紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10333791)
奥山 隆平 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80292332)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 免疫療法 / CpG oligodeoxynucleotide / 好酸球炎症 / Th2 / interleukin-5 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は、動物モデルを用いてTh2細胞と好酸球が関与した蛋白抗原が惹起する皮膚炎症反応を抗原特異的に抑制する方法を探索することである。私は共同研究者とともに、細菌に特有の塩基配列を有するCpG oligodeoxunucleotide(ODN)が抗原提示細胞に働き、IL-12の産生とco-stimulatory moleculeの発現を増強させTh1細胞を誘導ですることを報告している(J Immunol 167:66,2001)。さらにCpG motifを持たないODNはTh2を誘導することを示し、CpG motifの有無がhelper T細胞の分化に影響することを明確にした(J Immunol 170:2367,2003)。 今年度の研究で、再現性のある皮膚好酸球炎症動物モデルの作成に成功した。すなわち、Balb/cマウスを卵白アルブミン(OVA)とalumの腹腔内注射で3回感作した後、経皮的にOVAを貼付すると皮膚に好酸球炎症を惹起することができた(投稿準備中)。また、炎症が惹起された皮膚でIL-5とIL-4、IFNγの産生が増強されてることをRT-PCR法で確認した。また、血清中のOVA特異IgEとIgG2aの上昇がみられた。今回作成した動物モデルは、これまで報告されているモデルよりも短い期間で、再現性が高く、また、より多くの好酸球浸潤がみられる点で優れたモデルと考える。 さらに、この実験モデルマウスをCpG ODNで処理するとが好酸球炎症を容量依存性に抑制することが分かった。また、CpG ODN処理で血清中のOVA特異IgEとIgG2aの産生が減少した(投稿準備中)。Th2にシフトしたT細胞の反応性をCpG ODN治療で是正することにより、好酸球炎症とIgEの産生の抑制できることから、遅発型反応を示す重症アトピー性皮膚炎治療の抗原特異的治療法の開発に示唆を与えると考える。
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