2003 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性皮膚疾患に対する転写因子結合デュイ型核酸による治療に関する基礎研究
Project/Area Number |
14570800
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮根 真弓 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50215406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 誉 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30332604)
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Keywords | 表皮細胞 / TARC / CTACK / 転写因子 / HaCaT細胞 / 炎症 |
Research Abstract |
炎症性皮膚疾患における表皮細胞からは、TARC、CTACKなどのケモカインが多量に産生され、炎症性細胞の浸潤に必要不可欠な役割を演じていると考えられる。炎症性皮膚疾患においては、ケブネル現象として、外傷部位に皮疹の新生を見ることがしばしば観察される。今回、表皮細胞に、伸展刺激を加えることにより、細胞内シグナルが生じ、細胞増殖、アポトーシス抑制機構が働くこと、その結果炎症性ケラチンK6が誘導され、分化型ケラチンK10が抑制されること、転写因子であるAP-1が活性化することを見出し、J Invest Dermatolに報告した。また、表皮細胞の細胞株であるHaCaT細胞ではTNFα、IFNγ刺激によりMDCが産生されるが、その産生はIL-4、IL-13により抑制されることをJ Dermatol Sciに報告した。また、アトピー性皮膚炎では血清eotaxinレベルが上昇し、またアトピー性皮膚炎、乾癬患者血清中ではCTACKレベルが上昇していることをJ Allergy Clin Immunolに発表した。これらの炎症性変化を抑制するのに、シグナル伝達経路のどの因子を抑制するのが効果的かを検討するため、HaCaT細胞をもちいて検討を加えている。現在、いくつかの転写因子、シグナル伝達物質の阻害により、これらのケモカイン産生が抑制されることを見出し、その分子生物学的メカニズムを検討中である。来年度は、これらの因子を効率的に抑制するための薬剤についての検討を行いたいと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kakinuma T, et al.: "Increased serum cutaneous T cell-attracting chemokine(CCL27) levels in patients with atopic dermatitis and psoriasis vulgaris"J Allergy Clin Immunol. 111(3). 592-597 (2003)
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[Publications] Xiao T, Kakinuma T, et al.: "Both IL-4 and IL-3 inhibit the TNF-α and IFN-γ enhanced MDC production in a human keratinoayte cell line, HacaT cell"J Dermatol Sci. 31(2). 111-117 (2003)
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[Publications] Kagami S, Kakinuma T, et al.: "Significant elevation of serum levels of eotaxin-3/CCL26, but not of eotaxin-2/CCL24, in patients with atopic dermatitis"Clin Exp Immunol. 134(2). 309-313 (2003)
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[Publications] Yano S, Komine M, et al.: "Mechanical Stretching In Vitro Regulates Signal Transduction Pathways and Cellular Proliferation in Human Epidermal Keratinocytes"J Invest Dermatol. (in press). (2004)