2003 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の早期診断を目的とした放射性神経機能診断薬の開発
Project/Area Number |
14570845
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (40143929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 厚文 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (90019604)
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Keywords | シグマ受容体 / ヨードベサミコール / 分子イメージング剤 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
我々は、前年度までに、アセチルコリントランスポーター(VAChT)に対して高い親和性を持つベサミコールが、シグマ受容体にも高い親和性を持つことが報告されていることから、ベサミコールを基本骨格とする新規シグマ受容体リガンドを見つける研究を行い、これまでに、パラ位にヨウ素を導入した光学活性体のベサミコールである(+) -P-iodovesamicol[(+)-pIV]がシグマ受容体リガンドとして優れた性質を有することをインビトロ実験により見いだした。そこで今年度は、(+) -p-iodovesamicol[(+)-pIV]の放射性ヨウ素標識化の検討並びにラットを用いたインビボ実験により、シグマ受容体マッピング剤としての可能性について検討した。実験はまず、放射性ヨウ素標識化の検討についてトリブチルスズ法で行った結果、放射化学的収率81.1%、放射化学的純度99%以上で標識することができた。また従来法である固相交換反応による標識化も行った。次に、標識した(+) -[^<125>I]pIVをラットに投与し、摘出法及びオートラジオグラム法により脳内分布を調べるとともに、ハロペリドールやペンタゾシンのようなシグマリガンドを前投与したインビボ薬物阻害実験を行った。その結果、(+) -[^<125>I]pIVはシグマ受容体が多く分布している海馬、扁桃核群、皮質等に特徴的な集積が観察された。また、シグマリガンドの前投与により、(+) -[^<125>I]pIVの海馬、扁桃核群、皮質等の集積が減少したことから、ラット生体脳での(+) -[^<125>I]pIVの脳内分布はシグマ受容体の分布に反映したものであるとわかった。以上のことから放射性ヨウ素標識(+)-pIVがシグマ受容体マッピング剤としての有用であることが示唆された。尚、交換法とトリブチルスズ法による(+) -[^<125>I]pIVの脳内集積率に違いが見られることから、今後、この点について検討していきたい。
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Research Products
(1 results)