2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスライスCTによる多断面再構成画像の胆膵領域の画像診断への応用
Project/Area Number |
14570848
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 茂樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20184658)
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Keywords | マルチスライスCT / 多断面再構成画像 / 胆膵領域 |
Research Abstract |
4F,5Fのカテーテルで作成した櫛形ファンムを用いて、マルチスライスCTの撮影条件がZ軸上の空間分解能に及ぽす影響について検討して以下の知見を得た。1、Z軸上の空間分解能に最も大きく影響する因子はデータ収集時のcollimationであり、0.5-mmで撮影した画像はいずれの条件でも1-mmの画像よりも優れていた。2、ピッチを大きくするとZ軸上の空間分解能が悪化したが、その程度は,collimationが薄いほど小さく、0.5-mmはピッチ6までは視覚的にはほとんど画質の悪化を認めなかった。3、オーバーラップ再構成によりZ軸上の空間分解能は改善したが、その程度は0.5-mm collimationに比べて1-mm collimationにおいて顕著であった。また、オーバーラップ再構成をしても1-mmでの分解能が0.5-mmを上回ることはなかった。 上記の結果より、一定の撮影時間内に優れたZ軸上の空間分解能を有する、即ち、良好な多断面再構成画像を作成できる画像データを得るためにはピッチを大きくしても0.5-mm collimationを用いる方がよいと判断し、胆膵領域の造影CTの適応とされた患者をO.5-mm collimadonでピッチ5.5の条件で撮影した。この画像データから、膵の長軸に沿った斜めの多断面再構成画像を膵頭部、頸部、体尾部に対して作成して、この断面での画像解剖を明らかにするとともに、膵管、膵内胆管の描出能を評価した。多断面再構成画像を応用することで水平断像のみの評価に比べて膵胆管の描出能が有意に向上し、正常主膵管を膵頭部、頸部、体部で90%以上、尾部で70%以上、膵内胆管をほぼ100%、膵胆管合流部を90%以上、副膵管を約50%の例で描出可能であることを明らかにした。この方法を用いることにより、病変と膵胆管との関係のより正確な評価が可能となり、特に、粘液産生性膵腫瘍、膵胆管融合不全や合流異常などの画像診断に有用であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shigeki Itoh: "Pancreatic ductal adenocarcinoma showing iso-attenuation in early-phase contrastenhanced CT : Comparison with histopathological findings"Radiation Medicine. 20・2. 59-67 (2002)
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[Publications] Shigeki Itoh: "Assessment of the pancreatic and intrapancreatic bile ducts using 0.5-mm collimation and muliplanar reformatted images in mulitslice CT"Eur Radiol. 13・2. 277-285 (2003)