2002 Fiscal Year Annual Research Report
画像認知学的解析に基づく乳癌のモニター診断の安全性の確立に関する研究
Project/Area Number |
14570849
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島本 佳寿広 名古屋大学, 医学部, 教授 (70178961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50184437)
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Keywords | 乳癌 / 医療用画像認知 / CRT診断 / 超音波 / マンモグラフィ / デジタル画像 / カッパ解析 |
Research Abstract |
乳房超音波診断基準に基づく画像認識の一致度の検討 超音波診断はもともと動画のモニタ診断である日本乳腺甲状腺超音波診断会議(JABTS)において策定された乳腺腫瘤像形成性病変の新しい診断基準を用いて読影実験を実施し、読影者間の判断の一致度および再現性を検討した。150症例(重複読影50例を含む)の静止画像について、14名の乳腺専門医により診断基準項目毎に4段階評価を行い,カッパ解析を行った。評価項目は,形状の具体的記述,境界部の性状,ハロー,内部エコーの均質性,内部エコーレベル,後方エコー,外側陰影,縦横比,境界線の断裂,カテゴリー分類であり,ROC解析のために連続スケールにより良悪性鑑別の確信度を記載した。画像観察に使用したモニタはCRT7名、液晶7名である。読影者の判断の再現性および読影者間の判断の一致度について,カッパ解析を行い,有意差検定をした。 50症例の重複読影における平均のカッパ値は0.247〜0.966となり、読影者間で有意差があった(P<0.05)。しかし,所見別のカッパ値は0.454〜0.690となり,すべてgoodないしmoderateの再現性を示していた。この中では内部エコーの均一性,ハローのカッパ値が低く,形状が最も高いカッパ値を示した。150症例における読影者間の一致度はカッパ値で0.107〜0.392となり、内部エコーの均質性の評価が最も判断のばらつきが大きく,他の項目より有意に一致度が低かった。読影者間でばらつく理由は、読影者毎で異なる判断基準を適応していると考えられる。診断基準の適応に際しては、内部エコーの均質性に重点を置かないことが適切であろう。 なお,本研究成果は,欧州放射線学会議(2003年3月7日〜11日,ウィーン)で発表した。
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Research Products
(1 results)