2004 Fiscal Year Annual Research Report
臨床用CTによるヒト腰椎インビボ3次元骨梁構造解析-横断的検討と縦断的検討-
Project/Area Number |
14570852
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
高田 政彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10187974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 晋二 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90283556)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨梁 / 3次元骨梁構造解析 / multi-detector CT / 骨量 |
Research Abstract |
平成14年度から平成15年度中に臨床用のmulti-detector CTによる腰椎撮像を行った47名の女性において、骨梁構造パラメータと腰椎骨量との相関及び、骨折者の識別能について検討を行った。対象の女性(平均71才)の中で、20名は脊椎無骨折(平均67才)、27名は有骨折者(平均74才)。その画像データをマイクロCT付属の3次元骨梁構造解析ソフトに読み込ませ、骨梁構造パラメータである骨密度(BV/TV),骨梁幅(Tb.Th),骨梁数(Tb.N),骨梁間隙(Tb.Sp),骨パターンファクター(TBPf),Structure Model Index (SMI),骨梁間結合点数(N.Nd/TV),フラクタル次元(FD)の算出を行った。同時期にGE-ルナー社製DXA、DPX-LにてL2-4の腰椎骨量測定を行い、L3腰椎の骨量を求めた。3次元骨量構造パラメータと骨量との相関を1次回帰直線にて行い、無骨折者と有骨折者との識別能を、t検定にて検討した。p<0.05を有意とした。第3腰椎骨量とBV/TV, Tb.Sp, TBPf, SMI, FDの間に、この順に0.30,0.32,-0.46,-0.44,034(p<0.05)の有意な相関を認めた。骨折者の識別については、TBPf, SMI, FDが、それぞれ、t値=2.6,3.2,2.4にて有意差を認めた。また、L3BMDは両者の識別ができなかった。骨梁構造パラメータの中で、TBPf, SMI, FDは、骨量との相関を認め、骨折者の識別が可能であり、骨構造の脆弱性を評価できることが確認された。この方法により、インビボにおいて脊椎骨の骨梁構造の解析が可能であり、骨折の危険度評価に有用であることが示唆された。この実績報告を、平成16年10月1-5日、アメリカ合衆国シアトル市にて開催された第26回アメリカ骨ミネラル代謝学会にて行った。現在、症例数は増加しており、縦断的検討の為に、同一症例の2年目、3年目の撮像と解析を行っており、データの検討中である。
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