2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックMRIとコンパートメント解析による腫瘍血流機能画像の評価
Project/Area Number |
14570864
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
菅原 敬文 愛媛大学, 医学部, 助手 (60179124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 輝一 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教授 (80145094)
菊池 恵一 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (50304605)
村瀬 研也 大阪大学, 医学部, 教授 (50157773)
|
Keywords | 腫瘍 / 血流 / angiogenesis / MRI / ガドリニウム / コンパートメント解析 / デコンボルーション解析 |
Research Abstract |
MRI用造影剤(ガドリニウム)急速静注下に高速撮像法を用いてダイナミックデータ収集を行い、腫瘍血流の定量的測定を行った。腫瘍部近傍の動脈から入力関数を求め、コンパートメント解析ならびにデコンボルーション解析を用いて、ピクセル毎に組織血流を算出し、最終的に腫瘍部および周囲健常部を含む血流機能画像を作成した。初年度は、骨軟部腫瘍を対象に検討を行い、治療例では治療前後での比較検討も行った。 腫瘍血流量(mL/100mL/min)は、疾患により大きく異なり、最小は脂肪腫の2.72+/-1.57から、最大は転移性骨腫瘍の191.19+/-89.56まで広く分布した。血流機能画像上、通常の造影画像では捉えられない腫瘍内部の血流不均一性が明瞭化し、腫瘍辺縁部で血管新生(angiogenesis)を反映した高血流が示された。一方、腫瘍周囲正常組織の血流量は、別に求めた健常者の値(平均11.10+/-2.68)とほぼ同等の値を示し、本法の良好な再現性が示された。治療前後で、形態画像上で変化が捉えにくい症例においても、治療後に腫瘍血流の低下が確認された。手術後の病理学的検討が行われた症例においては、最終治療効果をよく反映していた。 以上、初年度においては、骨軟部疾患を対象として、ダイナミックMRIによる腫瘍血流機能画像の有効性を示すことに成功した。ここまでに得られた研究成果の一部は、日本医学放射線学会、日本磁気共鳴医学会、北米放射線学会、世界磁気共鳴医学会などで発表ならびに発表予定であり、現在、成果を論文にまとめているところである。 平成15年度は、さらに症例を追加(対象症例も骨軟部腫瘍以外にも拡大)し、治療効果判定や最終治療効果の病理学的検討との対比を進めていく予定である。また、放射線治療計画を含めた包括的治療計画や予後予測にも応用し、検討を加えて行く予定である。
|