2003 Fiscal Year Annual Research Report
C-11FLB457を用いたパーキンソン痴呆の大脳皮質D2受容体結合に関する研究
Project/Area Number |
14570866
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑原 康雄 九州大学, 大学病院, 助教授 (30150436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷脇 考恭 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (80284496)
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
佐々木 雅之 九州大学, 医学部, 教授 (40240907)
林 和孝 九州大学, 大学病院, 助手 (00325458)
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Keywords | ポジトロンCT / 脳ドパミンD2受容体 / C-11 FLB457 / C-11 ラクロプライド / パーキンソン病 / 痴呆 / 進行性核上性麻痺 / 皮質基底核変性症 |
Research Abstract |
本年度は、[^<11>C]FLB457および、[^<11>C]racloprideを用いた大脳皮質ドパミンD2受容体測定を臨床応用するための基礎的検討ならびに臨床例での検討を行った。[^<11>C]FLB457の合成はメチルトリフレート法を用いて既存の[^<11>C]ヨウ化メチル自動合成装置にトリフルオロメタンスルホン酸銀カラムを取り付け、[^<11>C]トリフルオロメタンスルホン酸メチルエステルを合成した。次に、[^<11>C]FLB457の合成前駆体FLB604(ABX社製)を[^<11>C]トリフルオロメタンスルホン酸メチルエステルを用い標職した。[^<11>C]racloprideはデス-O-メチルラクロプライドを原料とし、反応溶媒に無水ジメチルスルホシドを用いて[^<11>C]ヨウ化メチルで標識した。PET装置はECAT HR^+を用い、放射性薬剤は185-740MBqを静注し、3D-モードで60または90分間連続してデータ収集した。健常者での検討では、[^<11>C]FLB457線条体特異結合は90分の測定時間漸増した。大脳皮質特異結合は投与後、30-60分に一過性平衡を示し、その後、80-90分では減少傾向を示した。[^<11>C]racloprideでは線条体および大脳皮質ともに投与後20-30分で一過性平衡を示した。大脳皮質D2受容体結合能は小脳を基準とした一過性平衡法、グラフ解析法(Logan prot法)により行なった。前頭葉皮質における受容体結合能は健常者大脳皮質では平均0.43と線条体に比べ約、1/8であった。一過性平衡法とグラフ解析法(Logan plot法)で測定した受容体結合能は比較的良く一致した。パーキンソン病、パーキンソン痴呆、黒質線条体変性症、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症での検討では、大脳皮質D2受容体結合能は平均でそれぞれ0.16、0.16、0.45、0.32、0.30であり、パーキンソン病、パーキンソン痴呆では大脳皮質ドパミンD2受容体結合能低下が示唆されたが、変性痴呆である進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症では低下を認めなかった。
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