2004 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的なエストロゲン受容体および糖代謝測定による新しい乳癌診断法の開発
Project/Area Number |
14570867
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 雅之 九州大学, 医学部, 教授 (40240907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 康雄 九州大学, 大学病院, 助教授 (30150436)
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
林 和孝 九州大学, 大学病院, 助手 (00325458)
阿部 光一郎 九州大学, 大学病院, 助手 (00380387)
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Keywords | F-18 エストラジオール / F-18 FDG / PET / コインシデンスカメラ / エストロゲン受容体 / 糖代謝 |
Research Abstract |
1.今年度は、陽電子断層撮影(以下、PET)にて用いるエストロゲン受容体結合放射性医薬品である16α-[^<18>F]fluoro-estradiol(以下、F-18 FES)の健常人における体内分布およびその動態変化を、PET専用装置を用いて検討した。 2.4名の健常成人男性より文書による同意を得たのち、F-18 FESを185MBq静脈内投与した。データ収集は、PET専用装置にて投与開始から連続して1時間の連続動態収集を下胸部から上腹部にかけて行い、63分後より全身撮影を行った。また、1名では100分後よりコインシデンスカメラによるデータ撮影を行った。 3.F-18 FES投与後に自覚症状の異常を訴えたものはなかった。 4.血中放射能は投与と同時に急速に上昇して1.5分後にピークに達し(7.41±1.10)、以後漸減して10分後以降でほぼ一定となった(60分後:0.86±0.15)。 5,肝臓への集積は投与後に漸増し、投与10分後にプラトーに達し(14.1±1.47)、以後ほぼ一定となった(60分後:14.5±0.39)。 6.肺、脾臓、腎臓、筋肉、骨髄では1.5分後に小さなピークに達し、以後漸減して10分後以降でほぼ一定となった。 7.投与60分後の全身分布では、肝臓〜胆道〜腸管、腎臓〜尿管〜膀胱の集積が最も高かった。 8.体外への排泄は主に肝・胆道系および腎・尿路系と考えられた。 9.コインシデンスカメラによる画像はPET専用装置にほぼ準じた画像が得られた。 10.以上の結果より、F-18 FESの健常成人男性における体内分布は肝臓が最も高く、排泄経路である肝・胆道および腎・尿路系でも高集積となると考えられた。また、PETを用いた乳癌の非侵襲的なエストロゲン受容体測定法として安全に行いうると考えられた。
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Research Products
(1 results)