2003 Fiscal Year Annual Research Report
仮想食道造影、仮想内視鏡像とノ組織特性を用いた高精細CTによる食道癌診断法の確立
Project/Area Number |
14570870
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
村山 貞之 琉球大学, 医学部, 教授 (60239548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 修 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (60347151)
戸板 孝文 琉球大学, 医学部, 助教授 (30237036)
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Keywords | 食道癌 / 組織型 / 増殖活性 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 高精細CT / 3DCT / ウイルス感染 |
Research Abstract |
今年度は腫瘍の病理組織学的特徴(増殖活性)の検討を開始した。 病理組織像の検討対象症例は高精細CTにより仮想食道造影、仮想内視鏡像を得られた症例と同一の症例とした。病理組織像の検討項目としては(1)組織型(2)増殖活性が挙げられた。また、食道癌の分布に地域特性が認められることから、なんらかのウイルス感染が関与していると想像している。近年、扁平上皮癌とHuman papillomavirus(HPV)感染の関連性が示唆されていることから、本症についても検討の価値があると考えた。そこでさらに検討項目に(3)癌遺伝子活性(4)癌抑制遺伝子活性(5)癌関連ウイルス感染の有無を挙げた。組織は治療前内視鏡的生検術、あるいは根治的外科的切除術にて得られた癌組織を、通常の病理組織検査と同様にホルマリン固定し、パラフィン包埋したものを使用した。(1)組織型については各パラフィンブロックより3μmの厚さで薄切し、通常のHematoxylin Eosin(HE)染色法を用いて確認を行った。同標本上にて局所浸潤度についても評価を行った。(2)増殖活性は細胞増殖関連タンパクの一つであるMIB-5を指標とした。組織型の確認と同様にパラフィンブロックより3μmの厚さで薄切し、酵素抗体法を用いて組織免疫染色を行った。抗MIB-5抗体はDAKO社より購入した。抗原の賦活化には95℃に熱したpH6.0クエン酸緩衝液を用いた。(3)癌遺伝子活性(4)癌抑制遺伝子活性について、HPV関連癌遺伝子であるE6及びE7、癌抑制遺伝子であるp53、Rbを検討対象とし、(2)同様に免疫染色法による評価を試みた。(5)癌関連ウイルス感染の有無について、HPV mRNAの局在をin situ hybridization法を用いて検討を試みた。 今後はこれら病理学的検査で得られた知見と、3D画像像を対比させ、病理学的特性と画像的特徴の関係について探索していく予定である。
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