2005 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素動態による放射線照射後のアポトーシス検出と、癌治療、放射線被爆評価の開発
Project/Area Number |
14570875
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
原田 聡 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20244931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世良 耕一郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00230855)
石井 慶造 東北大学, 工学部, 教授 (00134065)
福田 光宏 日本原子力研究所, イオンビーム開発室, 室長 (60370467)
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Keywords | 放射線 / アポトーシス / 鉄 / カルシウム / サイトクロームC / キャスパーゼ |
Research Abstract |
平成14年度から15年度:micro Particle Induced X-ray Emission (PIXE) cameraによる、細胞内微量元素動態画像化を開始した。人悪性リンパ腫細胞、OCI/AML-2(P53+/+)、OCI/M2(P53-/-)細胞に関して、60Coy線5 Gy照射、3,6,9,12,24時間後の細胞に関し観察を行った。結果、OCI/AML-2細胞では、96%以上の細胞が照射後6〜9時間後において細胞質に点状のFe集積が見られ、9時間以降から24時間後には、細胞質のFe点状集積の消失と、核中のCa増加が認められた。Western blottingによる、Cytochrome-C動態解析と、比色分析法によるcaspase-3,-8活性との比較検討により、Feの点状集積がミトコンドリアから、細胞質へのcytochrome-Cと、核中のCa増加においては、核中のcaspase-3-8活性との関連性が示唆された。 平成15年度から16年度;CH3マウス下腿に移植したL1210,L1210 radioresistant variantに関して、同様の実験を行った。L1210においては、照射6時間後に20.1±2.3%のピークを持つ、一過性のアポトーシス上昇が見られ、アポトーシス初期の照射3時間後においては、micro PIXE cameraにおいて、Fe集積と、アポトーシス後期の照射9〜24時後における、核中のCa集積増強が認められた。 平成16年度から平成17年度:CH3マウス下腿に移植したL1210,L1210 radioresistant variantに関して、,Cytochrome-C, Fe, Caの混合溶液を作成し、皮下注後の、放射線照射後のアポトーシス発生を観察した。結果、上記混合液を添加した方が、アポトーシス発生率が46.25±4.3%と有意に上昇した。これより、アポトーシス誘導型の放射線増加の可能性が示唆された。尚、尾静脈静注後のマウスに関しては、抗腫瘍効果が見られなかった。これに関しては、放射線照射により、内容を放出するマイクロカプセルを開発し、実用化への段階を研究する必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)