2002 Fiscal Year Annual Research Report
核医学検査・治療に伴う患者の吸収線量、介護者および医療従事者の被ばく線量の測定
Project/Area Number |
14570880
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
日下部 きよ子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 マミ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90277103)
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90192070)
小林 秀樹 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10178329)
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Keywords | 被ばく線量 / 吸収線量 / 医療従事者 / 放射性同位元素 / 防護 |
Research Abstract |
基礎的検討として、ウエル型シンチレーションカウンタにて測定したTc-99m、Tl-201、Ga-67、I-131の実測値を基に、シンチカメラ(G7200)および小型線量計の検出感度を決定した。ポケット線量計の測定感度に於ける方向依存性は比較的少なく、360度方向の放射線を均一に検出していることが確認された。臨床的検討として、各種アイソトープ検査・治療に携わる医療従事者の外部被ばく線量をポケット線量計にて測定した。核医学診療に携わる事務員3名、看護士3名、診療放射線技師6名、検査技師1名、医師7名の計20名の医療従事者が診療に従事する1日について、線量測定を行った。被ばく線量の測定に関与する従事者は、1日の検査内容と共にポケット線量計の累積放射能を経時的に白己記録し集計した。放射性同位元素使用施設内で診療に携わっている従事者は、装着している鉛エプロンの前面胸部(女子では腹部)にポケット線量計を設置した。1日の検査件数は40件前後であるが、全体の過半数を占める心筋シンチグラフィ、骨シンチグラフィなどの検査では、放射性医薬品投与後の患者が1日2回に亘り管理区域に出入りした。 ポケット線量計による1日の累積放射能は、放射性同位元素使用施設内でバックグランド0.3-1.1μSvとなった。医療従事者の表面線量は、受け付け業務の事務員で0.7-4μSvとなり、I-131カプセルを服用した患者との接触時間が長引くほど増加する傾向がみられた。看護士の被ばく線量は7-40μSvとなり、患者と直接接触して介護する時間の増加に伴って増加した。放射線診療技師および医師の被ばく線量は1-58μSvとなり、被ばくを念頭に置いた線源取扱い法や患者介助法の習熟と共に減少する傾向が見られた。検査内容別に見ると、脳血流シンチグラフィに携わる放射線診療技師の被ばく線量が20-30μSvと平均的に高かった。重症患者の占める割りあいが高い脳血流検査では、頭部固定等の介助に要する時間が長く、遮蔽用具の利用が不可欠と考えられた。
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