2003 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド・シルクフィブロインによる組識吸収型ステント開発の基盤研究
Project/Area Number |
14570881
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
隈崎 達夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10089675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 純郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (90229162)
林 宏光 日本医科大学, 医学部, 講師 (70267201)
甲本 忠志 群馬大学, 工学部, 教授 (00016643)
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Keywords | 絹セリシン / 新医療材料 / 抗腫瘍効果 / 生体反応 / ステントグラフト |
Research Abstract |
表記研究課題の成果ならびに、研究経過中にあらたな展開の見られた課題とその成果は以下の通りである。 1)温熱処理によって絹セリシンの抽出を行い、2.5%および5%水溶液を作製した。本試料を電気泳動および高速液体クロマトグラフィーにて組成分析し、特に各種アミノ酸の構成比率を明らかにした。現在は、ペプチド結合の分析を急いでいる。 2)甲本研究室では、上記試料を低温プラズマ処理にてフィルム上にサブミクロン平均厚にコーティングすることに成功し、現在ダクロン人工血管内面へのコーティング実験を継続している。これと並行して、磁気共鳴駆使し試料の組成をさらに詳細に分析している。 3)隈崎研究室では、上記電気泳動および液クロによる可視バンドのDNA分析を行い極めて興味深い結果を得た。また、薬剤の架橋封入については、現在詳細な実験計画を立てて進めているが、まだ製品としての完成度は高くない。 4)開発試薬についてはラットにおける長期的実験で、以下のような注目すべき中間結果を得ている。 ア)DMBA/TPA塗布による皮膚腫瘍の発生を極めて高率に抑制することが判明。また、発生した皮膚腫瘍の発育を抑制する作用が示唆されている。これらは病理学的な検討にて証明された。 イ)加齢による体重の自然増を抑制する可能性が示唆された。この現象を示すラット群では、対照群と同量の食事を摂取し、同程度の運動量を消化している。病理組織的な検索では、皮下脂肪ならびに結合組織に良好な影響を与えていることが判明。 ウ)免疫染色による血管壁の観察から、末梢循環動態を明らかに改善していることを示唆した。
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