2002 Fiscal Year Annual Research Report
独自のDNAチップによる頭頚部悪性腫瘍の重粒子線照射時遺伝子発現状況の検討
Project/Area Number |
14570897
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
溝江 純悦 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター病院, 研究員 (80091510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 孝彦 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (50178919)
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
辻井 博彦 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター病院, 研究員 (50088853)
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Keywords | 重粒子線 / RNA発現 / c-DNAチップ / 遺伝子応答 / 頭頚部腫瘍 / 悪性黒色腫 / 腺癌 |
Research Abstract |
HaCaT細胞(正常ケラチノサイト由来)、G361細胞(皮膚悪性黒色腫由来)、Ca9-22細胞(歯肉扁平上皮癌由来)、およびHSG細胞(小唾液腺腺癌由来)の細胞に対して、4MeV-X線(1,2,4,8,16Gy)、炭素イオン線およびネオンイオン線(1,4,7GyE)の照射を行った。照射後、各細胞においてcolony assay法による生残率測定を行い、また、遺伝子発現解析の為のRNA抽出を行い(直後、6,24,48時間後)、1細胞種においては独自のDNAチップによる遺伝子発現の解析を行った. 細胞生残率曲線においてD_<0.5>(50%生存線量)は、X線でG361<HSG<Ca9-22<HaCaTの順であり、また、炭素イオン線でHSG<G361<Ca9-22<HaCaT、ネオンイオン線でHSG=G361<Ca9-22であった。この結果は、本研究において使用する細胞群が放射線の種類に対して異なった反応を持つことを示しており、重粒子線照射効果の差異を研究するに適した細胞群であることを証明している。 Ca9-22細胞に対するX線2Gy、炭素イオンおよびネオンイオン線1Gyの照射1時間後における遺伝子発現解析(独自の4,000チップ)の結果では、X線で12遺伝子、炭素イオン線で67遺伝子、およびネオンイオン線で7遺伝子でそれぞれ独自の遺伝子発現亢進があった。また、発現減弱を認めた遺伝子は、X線で48遺伝子、炭素イオン線で18遺伝子、およびネオンイオン線で15遺伝子であった。この結果から、放射線の種類により相当に異なった遺伝子発現の増減が確認された。 平成15年度は遺伝子発現解析をさらに進め、各細胞・各放射線における放射線線量および照射後経過時間の因子を解明する。
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