2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病における神経細胞内βアミロイド蓄積とアポトーシス・シグナル
Project/Area Number |
14570902
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
布村 明彦 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60241436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 茂 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90171941)
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Keywords | アルツハイマー病 / アポトーシス / βアミロイド / MAPキナーゼ / カスパーゼ |
Research Abstract |
われわれは、一連の研究によって、酸化的ストレスやミトコンドリア異常がアルツハイマー病(AD)の病態に密接に関与していることを明らかにしてきたが、これらの変化がアポトーシスの引き金になり得ることは注目すべきである。βアミロイド(Aβ)の産生や分解の異常は、ADの病態において中心的役割を果たすと考えられているが、神経細胞内Aβ蓄積と種々のアポトーシス・シグナルとの関連性は明らかにされていない。 本研究では、ADの剖検脳[AD脳7例(年齢60〜84歳);海馬、海馬傍回、および後頭側頭回を含む脳組織;Methacarn固定(16h)]を用いて、免疫細胞化学的手法によって神経細胞内Aβ蓄積と種々のアポトーシス・シグナルを検出することを試みた。一連のアポトーシスのカスケードにおいて上流に位置するMAPキナーゼ(mitogen-activated protein kinase)ファミリー(ERK、JNK/SAPK、p38)については、錐体細胞層の神経細胞でERK、JNK/SAPK、p38の順により広汎に出現していた。また、これらのアポトーシス・シグナルの下流で活性化されるカスパーゼ群は、イニシエーター・カスパーゼであるカスパーゼ8とカスパーゼ9の出現が錐体細胞層の神経細胞で観察されたのに対して、より細胞死に直結したエフェクター・カスパーゼであるカスパーゼ3、6、および7の出現は認められなかった。一方、神経細胞内Aβの免疫反応、とくにAβ42のC末端に特異的な抗体に対する免疫反応は、以上のいずれのアポトーシス・シグナルよりも広汎に認められた。 以上のことから、AD脳では、神経細胞内Aβ蓄積は最も早期の変化であり、その下流で種々のアポトーシス・シグナルの出現が認められるが、アポトーシスを完結に導く後期のシグナルの出現は乏しいことが明らかになった。AD死後脳で観察される残存神経細胞では、従来知られているアポトーシスの過程がabortiveな段階で停止している可能性がある。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nunomura A, et al.: "Neuronal RNA oxidation is a prominent feature of dementia with Lewy bodies"Neuroreport. 13・16. 2035-2039 (2002)
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[Publications] Smith MA, et al.: "Amyloid-β, tau alterations and mitochondrial dysfunction in Alzheimer disease : the chickens or the eggs?"Neurochemistry International. 40・6. 527-531 (2002)
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[Publications] Rottkamp CA, et al.: "The state versus amyloid-β : the trial of the most wanted criminal in Alzheimer disease"Peptides. 23・7. 1333-1341 (2002)
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[Publications] Castellani RJ, et al.: "The role of mitochondrial dysfunction in Alzheimer disease"Journal of Neuroscience Research. 70・3. 357-360 (2002)
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[Publications] Perry G, et al.: "Comparative biology and pathology of oxidative stress in Alzheimer and other neurodegenerative diseases : beyond damage and response"Comparative Biochemistry and Physiology Part C. 133・4. 507-513 (2002)
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[Publications] Perry G, et al.: "Is oxidative damage the fundamental pathogenic mechanism of Alzheimer's and other neurodegenerative diseases?"Free Radical Biology and Medicine. 33・11. 1475-1479 (2002)
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[Publications] Raina AK, et al.: "Apoptosis techniques and protocols(2^<nd> Ed)"Humana Press, Totowa, NJ. 22 (2002)