2003 Fiscal Year Annual Research Report
ADHDにおける反抗挑戦性と大脳辺縁系に関する研究
Project/Area Number |
14570915
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
原田 謙 信州大学, 医学部, 助教授 (90293513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 節子 信州大学, 医学部, 助手 (90143974)
金子 智喜 信州大学, 医学部, 助手 (40324256)
天野 直二 信州大学, 医学部, 教授 (10145691)
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Keywords | ADHD / 反抗挑戦性 / 大脳辺縁系 / 容積研究 / Voxel-based morphometry |
Research Abstract |
【はじめに】本年度は,臨床例と正常対照群に対してMRI撮影を行い,これまで指摘されているADHDの脳の形態異常をVoxel-based morphometry(VBM)を用いて追試するとともに,反抗挑戦性障害(ODD)の併存の有無で脳形態に差違があるかどうかについてpreliminaryな解析を行った。 【対象】対象は,DSM-IVに基づき,ADHDと診断されODDが併存しない男児5名(ADHD群,平均年齢10.6±2.3)とADHDと診断されODDが併存した男児5名(併存群,平均年齢9.8±1.3)である。さらに、対象群に年齢をマッチさせた健常男児5名(平均年齢9.8±2.6)を対照群として設定した。 【方法】対象および対照に対して,全脳の三次元撮像を行い,高解像度T1強調画像を得た。このデータを用いてStatistical parametric mapping(SPM)99によるVBMを施行した。VBMはYamasueら(2003)の方法を用い,まず空間正規化(spatial normalization)を行い,次に灰白質,白質および脳脊髄液その他の部分にsegmentationをし,segmentationされた灰白質の画像を,半値幅12mmで平滑化(smoothing)した。統計的検討は全脳体積を共変量とするANCOVAモデルを用いた。 【結果】(1)ADHD群と対照群との比較 過去に報告されている右小脳半球皮質,右前頭葉眼窩皮質,左前部帯状皮質で灰白質体積減少を示す所見が得られた。(2)ODD併存群に特徴的な所見…併存群では、ADHD群に比べて右前頭葉眼窩皮質体積減少が、対照群と比べて小脳虫部体積減少が示された。 【終わりに】次年度は症例数を増やし,さらに有意差のみられた部位については,ADHDの重症度やODDの重症度との相関についても検討する予定である。
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