2003 Fiscal Year Annual Research Report
産後うつ病の母親に対するヘルス・ケア・システムに関した国際共同研究
Project/Area Number |
14570917
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡野 禎治 三重大学, 保健管理センター, 助教授 (90169128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 長康 三重大学, 医学部, 教授 (40126983)
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Keywords | 産後うつ病 / ヘルス・ケア・システム / 国際共同研究 / 欧州共同体 / 母子相互関係 / 受療経路 |
Research Abstract |
産後うつ病のヘルスケアシステム構築のため、昨年度に確立した評価尺度および構造化面接法を用いて、母子保健システムの医療施設と地域型の連携した調査を開始した。妊娠期間に研究に参加の意思を表明した女性(同意書による)に対して、アンケート調査を妊娠後期(一部の医療機関は妊娠初期から)および分娩後(産後3ヵ月)に配布して、データの集積を開始した。 1)調査内容は、妊娠期間中の不安状態・抑うつ状態、産直後のマターニティ・ブルーズ、産後うつ病の重症度、愛着障害、児の気質、妊娠期間前及び産直後のライフ・イベンツ、職業上の困難、望まない妊娠・出産、虐待傾向、対処行動さらにソーシャル・サポートおよぴヘルス・ケアの活用などに関した項目を含めた。 2)心理評価の研修:看護・保健スタッフに対して、評価診断に関した研修会を蘭催して、SCIDの産後うつ病版を用いて、訓練を実施した。さらに、周産期メンタルヘルス支援にための一般的啓発的講習会も企画した。 3)スクリーニング方法:産後1ヵ月検診時にエジンバラ産後うつ病調査票を用いた一次スクリーニングを実施した。高得点群については、上記のトレーニングを習得した母子保健スタッフが産後1ヵ月検診後に家庭訪問をおこない、構造化面接法を用いて産褥婦のこころの状態について暫定診断(2次スクリーニング)を行って、その後、SCID-I(full version)による専門医の確定診断を実施。さらに産後3ヵ月(郵送)にもEPDSを送付して、高得点群については心理援援助担当の母子保健スタッフ(保健師)による追加面接を行って、産後うつ病の暫定的検出を実施。 4)EPDSの妥当性の検証:県内の一部の地区では、参加者全員に家庭訪問を実施して確定診断をおこない、EPDSのスクリーニング・テストの妥当性について検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岡野 禎治: "産後うつ病に対するケア・システム確立ついての最近の動向"臨床婦人科産科. 57. 168-171 (2003)
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[Publications] 北村俊則, 岡野禎治監訳: "精神科診断面接マニュアル(SCID)"日本評論社. 339 (2003)