ストレス関連遺伝子発現を指標とした精神疾患の縦断的研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14570927
• Research Institution: The University of Tokushima
• Principal Investigator: 永峰 勲 徳島大学, 医学部, 教授 (80198358)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 友竹 正人 徳島大学, 医学部, 助手 (50294682) ; 六反 一仁 徳島大学, 医学部, 助教授 (10230898) ; 大森 哲郎 徳島大学, 医学部, 教授 (00221135) ; 山内 健 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (90325267)
• Keywords: ストレス関連遺伝子 / 統合失調症 / 気分障害 / DNAチップ / 末梢血白血球

Research Abstract

統合失調症や気分障害などの精神疾患は、青年期以降に発症する精神疾患であり、その頻度は極めて高いうえに、社会的にも損失となることが多い。また、早期に診断し、治療する事がこれらの疾病においては重要とされている。しかしながら、これまで精神疾患の病態像の把握においては、生体内で知りうる指標がなく、病歴の聴取や現症を取る事、質問紙による病態像をつかむ事以外の方法では、診断する事ができず、熟練した精神科医が、専門的な知識に基づき診察することが必要である。今回の研究では、精神疾患の病態の把握や診断、治療及び予後を測定できる方法として、簡便に行える血液を用いた解析を検討する事とした。まず、精神疾患患者群および健常対照群で末梢血白血球の遺伝子発現を、DNAチップを用いて解析する事により、精神疾患の病態の把握が行えると考えた。精神疾患のために医学部附属病院を初診した薬物治療を受けていない患者において、その病態を質問紙法で確認し、末梢血白血球から発現mRNAを取り出す。この発現遺伝子の差を精神疾患患者群と健常対照群で比較する。また、治療により改善した後の末梢血白血球のmRNAと比較する。具体的にはそれぞれのmRNAを逆転写し蛍光ラベルしたDNAを合成し、ストレス関連遺伝子cDNAを固定したDNAチップ(マイクロアレイ)を用いてその蛍光強度、すなわち遺伝子発現量を比較する。これまでの検討で、心的なストレスにより末梢血白血球の遺伝子発現が変化する事は確認しており、今回、疾患別に比較する事で病態像を把握できる可能性があると考えている。