2002 Fiscal Year Annual Research Report
「精神分裂病の家族教育ビデオ」のアジア諸国への普及と共同研究の模策
Project/Area Number |
14570930
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
井上 新平 高知医科大学, 医学部, 教授 (20125826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉本 雄司 高知医科大学, 医学部, 助手 (20325418)
上村 直人 高知医科大学, 医学部, 助手 (10315004)
下寺 信次 高知医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20315005)
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Keywords | 精神分裂症 / 総合失調症 / 家族 / 家族療法 / 心理教育 / アジア / ビデオ教材 / 精神保健 |
Research Abstract |
精神分裂病の再発予防には心理教育的家族療法が有効であり、中でも家族教育が重要である。家族教育を効果的に行うにはビデオなどの視聴覚教材が必須であり、我々はこれまで独自に製作を進めてきた。日本で開発されたビデオは、社会文化的に類似する東アジア・東南アジアの諸国でも利用可能と予測され近隣諸国での使用価値について検証しようとした。まず日本版ビデオ5巻のうち、汎用性の高い3巻(症状、原因、薬物治療)の英訳を試みた。英訳に際しては患者や家族の発言、専門家の解説、グラフなどの説明、ナレーションなどすべての領域で修正を要するような箇所はなかった。次に、世界精神保健連盟西太平洋地区会議(2002年10月30日、東京)の席で、英語版ビデオのデモンストレーションを行った。参加者は、韓国、台湾、香港、フィリピン、マレーシア、シンガポールの精神保健専門家であった。ビデオ視聴と説明の後、韓国、台湾、フィリピン、マレーシア、シンガポールの専門家からは英語版ビデオの利用可能性が高いという意見を得た。英語ビデオを家族教育に使えるのはフィリピンだけであるが、学生講義や専門家向けセミナーなど利用機会は高いという見解であった。また香港からは、中国版ビデオの利用価値は高くぜひ利用したいということであった。次に、世界精神保健連盟世界会議でポスター発表を行い広く意見を求めた(2003年2月23日)。その後、上記の施設を中心に3巻のビデオを送付した(For the Understanding of Schizophrenia : Volume 1 Symptoms of Schizophrenia, Volume 2 Causes of Schizophrenia, Drug Treatment)。現在その評価を待ち共同研究の可能性を探っているところである。また中国版の制作にとりかかる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shimodera S, Mino Y, Fujita H, Izumoto Y, Kamimura N, Inoue S: "Validity of a five-minutes speech sample for the measurement of expressed emotion in the families of Japanese patients with mood disorders"Psychiatry Research. 112. 231-237 (2002)
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[Publications] Fujita H, Shimodera S, Izumoto Y, Tanaka S, Kii M, Mino Y, Inoue S: "Family attitude scale : measurement of criticism in the relatives of patients with schizophrenia in Japan"Psychiatry Research. 110. 273-280 (2002)
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[Publications] 下寺信次, 井上新平: "薬物療法と心理教育的療法との統合はいかにあるべきか"精神科臨床サービス. 2. 434-439 (2002)
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[Publications] Shimodera S, Inoue S, Mino Y, Fujita H.: "Comprehensive Treatment of Schizophrenia(分担執筆)"Springer-Verlag Tokyo. 404 (2002)