2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗うつ薬の奏効機転における神経回路網再編メカニズムの解明
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14570943
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山田 光彦 昭和大学, 医学部, 講師 (60240040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 和享 昭和大学, 薬学部, 教授 (80004597)
上島 国利 昭和大学, 医学部, 教授 (80051613)
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Keywords | 抗うつ薬 / 神経可塑性 / ラット / 脳 / 遺伝子 / 分子生物学 / Differential Cloning / microarray |
Research Abstract |
我々はこれまで、Differential Cloning法を用いて、抗うつ薬(イミプラミン、サートラリン)長期投与によりラット前頭葉皮質および視床下部で発現の変化する遺伝子を網羅的に探索する作業を続け、これまでに約200個の候補遺伝子(antidepressant related gene : ADRG#1〜200)を同定し、これらをスポットしたADRG microarrayを開発してきた。ADRG microarray解析の結果、神経細胞における神経突起の伸長・退縮に関与する遺伝子の発現が著明に変化していることが明らかとなった。そこで本年度は、神経突起の伸長・退縮に関与する既知の遺伝子およびDifferential Cloning法により海馬から得られた候補遺伝子のサブクローニングを進め、プロトタイプのADRG microarrayに改良を加えながら継続して作製した。また、他のうつ病治療法(電気ケイレン、経頭蓋磁気刺激等)を処置した動物サンプルを用いてADRG microarrayを解析した。さらに、定量的PCR解析システム、Western Blot法により、mRNAレベル、蛋白レベルでの発現変化を検討した。これらの研究において、抗うつ薬の奏効機転に神経回路網の再編成といった神経可塑性の変化が重要であることが考えられた。 次年度は、抗うつ薬関連遺伝子として同定してきた未知遺伝子についても同様の機能を有している可能性が考えられるため、GFP等を有する発現ベクターにADRG遺伝子を組み込みトランスフェクションし強制発現させ、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡を用いて神経細胞における神経突起長を計測する計画である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamada, M.et al.: "Differential expression of VAMP2/synaptobrevin-2 after antidepressant and electroconvulsive treatment in rat frontal cortex"Pharmacogenomics J.. 2. 377-382 (2002)
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[Publications] Nishioka.G.et al.: "Induction of kf-1 after repeated electroconvulsive treatment and chronic antidepressant treatment in rat frontal cortex and hippocampus"J. Neural. Trans.. (in press). (2003)