2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570980
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
但馬 史人 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60335528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汐田 剛史 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70263457)
|
Keywords | 再生医療 / 造血幹細胞 / G-CSF / 可溶性c-kit受容体 / 末梢血造血幹細胞移植 |
Research Abstract |
サイトカインによって末梢血に動員された造血幹細胞が肝細胞に分化し得るかどうかを検討した。また、幹細胞を末梢血に動員する機序を解明し、動員に有効なサイトカインの組み合わせについて検討した。 GFPトランスジェニックマウスにG-CSF投与を行った後に末梢血を心臓穿刺にて採取し、Lin^+細胞を磁器ビーズ法にて除去したマウス末梢血Lin-単核球をセルソーターにてLin-c-kit^+Sca-1^+CD34-分画とLin'c-kit^+Sca-1^+CD34^+分画に純化した。このテスト細胞をretrorsine及びCCl_4投与により作成した急性肝障害マウスに経門脈的に移植した。移植2ヵ月後にマウス肝臓内におけるGFP陽性細胞のclusterについて検討した。 Ly5.1マウスにG-CSF、可溶性c-kit受容体.(s-kit)を単独または組み合わせて投与した後、末梢血を心臓穿刺にて採取し、マウス末梢Lin-単核球をLy5.2マゥスに移植した。移植6ヶ月後に、レシピ5ントマウスの末梢血を用い、キメリズム解析を行った。 GFPマウスの末梢血を移植されたマウスでは、両群とも約30%のマウスに肝臓内にGFP陽性clusterを認めた。s-kit投与後のLy5.1マウス末梢血単核球を移植されたマウスLy5.2の末梢血中にLy5.1陽性細胞が見られた。また、G-CSF単独より、G-CSF+s-kitを投与したLy5.1マウス末梢血単核球を移植した群が、レシピエントマウスの末梢血中ドナー由来のLy5.1陽性細胞のキメリズムが有意に高かった。 造血幹細胞はサイトカイン投与により骨髄微小環境との接着を阻害され、末梢血中に出現する。その造血幹細胞分画に肝細胞に分化しうる細胞が存在し、末梢血幹細胞移植療法は、骨髄のみならず他の再生医療にも有効な手段である可能性が示唆された。
|