2003 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血及び臍帯血由来血管内皮細胞の臨床応用と血管新生のシグナル伝達の解析
Project/Area Number |
14570985
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
窪田 良次 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (90178054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 郁子 香川大学, 医学部, 客員助教授 (10183477)
大西 宏明 香川大学, 医学部, 助手 (90223891)
北中 明 香川大学, 医学部, 助手 (70343308)
田中 輝和 香川大学, 医学部, 教授 (20155146)
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / 血管新生 / 末梢血幹細胞 / 臍帯血 / PI3-kinase / Src family / VEGF / シグナル伝達 |
Research Abstract |
平成15年度における本研究の目標は、1 末梢血幹細胞検体および臍帯血中の血管内皮前駆細胞の同定とその性状を明らかにする、2 血管内皮細胞を用いた血管新生のシグナル伝達解析:Src-PI3-kinaseのシグナル伝達経路の機能を明らかにするための基礎的な検討を行うことである。 1 末梢血幹細胞検体中の血管内皮前駆細胞の同定・分離: 前年度に続き、インフォームドコンセントを得た後、末梢血幹細胞検体中の血管内皮前駆細胞の同定を主に免疫組織染色にて行った。マーカーとしては、CD34,Flk-1などの血管内皮細胞特異的抗原の発現を用いた。G-CSF投与により健常人の末梢血中に存在する血管内皮前駆細胞よりも明らかに多く動員されていたが、G-CSF投与後も血管内皮前駆細胞の動員が少ない症例もあり、各症例によりばらつきが見られた。ばらつきの要因は、現在のところ明らかではない。 2 血管内皮細胞を用いた血管新生のシグナル伝達の解析: 前年度に続いてSrc familyおよびPI3-kinaseの選択的阻害剤を用いて基礎的な検討を行うとともに、antisense oligonucleotides (AS-oligo)を用いた実験も行なった。解析には、VEGF刺激により血管内皮細胞が管腔を形成することが知られているヒト血管内皮細胞と繊維芽細胞の共培養法を用いた。血管新生の解析のために,免疫組織染色でCD31,von Willebrand Factorの発現を調べた。PP1 (Src familyの選択的阻害剤)およびLY294002 (PI3-kinaseの選択的阻害剤)は、いずれも濃度依存性に管腔形成を阻害した。また、SrcおよびPI3-kinaseのregulatory subunitであるp85に対するAS-oligoも管腔形成を阻害していた。VEGFでチロシンリン酸化される蛋白質のうち、選択的阻害剤やAS-oligoによりリン酸化が阻害される蛋白質の解析を、ウエスタンブロット法を用いて行っている。
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