2004 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体濾過バリアー構成蛋白質アクチニン-4とネフローゼ惹起物質との相互作用
Project/Area Number |
14571010
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
涌井 秀樹 秋田大学, 医学部, 講師 (70240463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良二 香川大学, 医学部, 教授 (00020917)
伊藤 英晃 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80168369)
小松田 敦 秋田大学, 医学部, 講師 (70272044)
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Keywords | 糸球体 / 濾過バリアー / アクチニン-4 / ネフローゼ惹起物質 / ピューロマイシンアミノヌクレオシド / 巣状分節状糸球体硬化症 / ヒューマニン / two-hybrid法 |
Research Abstract |
アクチニン-4のスペクトリン様リピート(R1-R4ドメイン)とヒューマニン(抗アポトーシス作用を有する内因性ペプチド)との相互作用について: 昨年度までに、アクチニン-4のR1-R4ドメインと相互作用する分子として大腸菌two-hybrid法でヒューマニンを同定した。この相互作用はリコンビナント分子を用いたアフィニィティーアッセイ系でも確認された。またヒューマニンを発現させた培養細胞でアクチニン-4との共発現も示した。今年度はヒューマニンの局在に関する以下の追加実験を行い、これまでの研究を完了させて論文にまとめて発表した(Clinical and Experimental Nephrology 8:331-338, 2004)。 (1)ヒト腎生検標本を用いたin situ hybridization法により、糸球体内ヒューマニンmRNAの発現を観察した。主に上皮細胞とメサンギウム細胞の細胞質にヒューマニンmRNAの発現を認めた。 (2)ヒト腎生検標本を用いた免疫電顕法を行った。糸球体上皮細胞内に抗ヒューマニン抗体による免疫反応を特異的に認めた。一方、糸球体基底膜には免疫反応を認めなかった。 本研究のこれまでの結果より、ヒューマニンはアクチニン-4の新規結合分子であり、糸球体濾過バリアーの上皮細胞に発現していることが明らかになった。ヒューマニンは抗アポトーシス作用を有する内因性ペプチドとして最近同定された分子であるが、糸球体濾過バリアーの機能維持に関しても重要な役割を演じていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)