2003 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎障害におけるLOX-1と酸化ストレスの役割に関する研究
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14571015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
要 伸也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60224581)
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Keywords | LOX-1 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究は、動物実験として5/6腎摘モデルその他の腎障害モデルを用いてLOX-1の発現を調べ、細胞レベルでは主として血管内皮細胞、メサンギウム細胞を用いて、LOX-1の発現機序および酸化ストレスとの関連を検討することを目的とした。当初の研究計画にしたがい、下記のように順次実験を進めた。 まずIn vivo studyでは、Dahl食塩感受性ラットの成績(J Am Soc Nephrol,2000)を踏まえ、標準的な慢性腎不全のモデルである5/6腎摘ラットの残存腎におけるLOX-1の発現と局在を調べた。その結果、LOX-1発現が肥大した残存腎において著明に亢進していること、発現は、糸球体に腎臓の間質の細胞を中心に見られること、また、これらの発現がアンジオテンシン受容体拮抗薬の投与により減弱すること等を見出した(Ueno et al.;Hypertens Res 2003)。その後の検討では、組織のアンジオテンシンII濃度も上昇していることが示され、培養細胞でアンジオテンシンIIがLOX-1の発現を刺激することと併せて、組織におけるレニン・アンジオテンシン系が腎臓間質におけるLOX-1の増加に関与している可能性が高いと考えられた。さらに、間質線維化のモデルである尿管結サツマウスにおいても、腎臓におけるLOX-1発現の亢進を認めている(未発表データ)。 In vitro studyでは、過酸化水素、xanthine+xanthine oxidase, homocysteinなどの酸化ストレスが血管内皮細胞におけるLOX-1発現を刺激することを報告した(Nagase et al.;Biophy Bioch Res Com 2001)。さらに、酸化ストレスや物理的ストレスのほか、TGT-βおよびPDGFが著明にLOX-1の発現を刺激することを見出した(一部未発表データ)。一方、アンジオテンシンII投与高血圧モデルにおいて、血管のLOX-1発現が亢進し、これが抗酸化薬であるSOD類似物質によって抑制されることを報告し、これらにより酸化ストレスとLOX-1との直接的関係が明らかになった。 以上の結果の一部は、2002年日本腎臓学会、2003年米国腎臓学会、2004年日本心脈管作動物質学会において報告した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ueno T, Kaname S, et al.: "LOX-1 an oxidized low density lipoprotein receptor, was upregulated in the kidneys of chronic veval failure rats."Hypertens Res. 26. 117-122 (2003)