2002 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシス受容体メガリンの機能の解析と腎臓内科学的および再生医学的応用
Project/Area Number |
14571018
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 亮彦 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80293207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 徹朗 新潟大学, 医学部附属病院, 医員
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
下条 文武 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20126410)
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Keywords | メガリン / AGE / レプチン / 肝型脂肪酸結合蛋白 / 尿毒素蛋白 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
メガリンは、近位尿細管上皮細胞膜の管腔側に高発現し、血液から糸球体を通して濾過される様々な低分子量蛋白を、エンドサイトーシスによって再吸収し代謝するための受容体である。私たちは、メガリンの機能の解析と、その腎臓内科学的・再生医学的応用をめざした研究を行っている。 1)Advanced glycation endproduct(AGE)の細胞取り込みのおけるメガリンの役割と、新規AGE結合蛋白の存在を明らかにした(論文in press)。そのAGE結合蛋白を、MALDI-TOFマススペクトロメトリーおよびペプチドシークエンスによって解析し、ウエスタンブロットの結果もふまえて同定した。現在、別種のAGEとの結合性を検討中である。 2)腎不全患者に蓄積し、一種の尿毒素蛋白として知られているレプチンが、腎においてメガリンによって代謝される機構を明らかにし、論文発表準備中である。 3)肝型脂肪酸結合蛋白(LFABP)が血液中に存在し、糸球体を濾過して近位尿細管上皮細胞で再吸収・代謝されること、その過程でメガリンが関与することを明らかにした。LFABPは脂肪酸以外にも様々なリガンドと結合するが、この知見は、それらのリガンドが、LFABPというキャリアー蛋白によって腎に運搬され代謝されるという新しい経路を明らかにしたものである。現在、論文発表準備中である。 4)モノクローナル抗体を作成し、EIA系を開発するために、ヒトメガリンを精製中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hasegawa H, et al.: "Autoantibody against ribosomal protein L14 in patients with systemia lupus erythematosus"Clinical and Experimental Rheumatology. 20. 139-144 (2002)
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[Publications] 竹田 徹朗, 斎藤 亮彦: "メガリン、キュビリン"医学のあゆみ. 200. 1263-1264 (2002)
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[Publications] 斎藤 亮彦, 下条 文武, 田畑 泰彦: "血管新生因子のDDSを用いて細胞移植-腎の蛋白代謝機能を代謝する細胞移植療法の開発をめざして-"遺伝子医学. 6. 59-62 (2002)
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[Publications] 斎藤 亮彦, 竹田 徹朗, 下条 文武: "近位尿細管における蛋白の再吸入-多機能エンドサイトーシス受容体megalinおよびcubilinの役割-"腎と透析. 53. 563-568 (2002)
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[Publications] Takeda T, et al.: "Identification of an apical sorting determinant in the cytoplasmic tail of megalin"Am J Physiol Cell Physiol. (in press). (2003)
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[Publications] Saito A.et al.: "Role of megalin in endocytosis of advanced glycation endproducts : implications for a novel protein binding to both megalin and advanced glycation endproducts"J Amer Soc Nephrol. (in press). (2003)