2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571026
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塚口 裕康 徳島大学, 医学部, 助手 (60335792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 喜彦 徳島大学, 医学部附属病院, 講師 (10218349)
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
土井 俊夫 徳島大学, 医学部, 教授 (60183498)
中屋 豊 徳島大学, 医学部, 教授 (50136222)
水野 昭 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (80219641)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子変異 / ネフローゼ症候群 / 腎糸球体上皮 |
Research Abstract |
研究目的と進め方 以前から糸球体硬化症の発症に遺伝的素因が関与することが知られてきたが、ヒトゲノム解析の飛躍的な進歩により幾つかの疾患遺伝子が明らかになった。なかでも糸球体上皮のスリット膜に存在する膜蛋白ネフリンとポドシンの遺伝子変異は小児期発症ネフローゼ症候群の原因となる。したがってこれらの蛋白は上皮障害の進展に極めて重要と考えられるが生体機能は未だ不明で解明が待たれる。本年度は計画の第一段階として培養細胞や腎組織での蛋白局在を検討した。 本年度の研究成果 (1)腎組織での局在 免疫組織化学ではポドシン、ネフリンともに糸球体上皮に特異的に存在していた。免疫電顕では両蛋白ともに足突起間のスリット膜に存在することを確認した。 (2)実験モデルを用いたポドシンの発現の検討 ラットTh1腎炎はメサンギウム増殖を示す代表的な実験腎炎であるが、メサンギウム融解が著明な炎症極期にも糸球体上皮にポドシン発現が残存していた。ポドシンは上皮傷害のマーカーとして有用と考えられる。 (3)培養細胞を用いた遺伝子発現実験 培養COS-7細胞、HEK293細胞にcDNAをトランスフェクションして、免疫染色した後に共焦点顕微鏡を用いて細胞内蛋白局在を解析した。また細胞をTriton-X100で可溶化して免疫沈降法で蛋白相互作用を検討した。その結果ネフリンとポドシン間には相互があり、さらに他の幾つかの蛋白が結合して複合体を形成することが判明した。また家族性巣状糸球体硬化症患者で見つかったポドシン変異体を作成し蛋白動態を検討中である。 今後の課題 ネフローゼ患者で見いだされた変異がどのように疾患を起こすかを検討することにより疾患遺伝子の機能とその関連分子カスケードの解明を進める。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsukaguci H.: "NPHS2 mutations in late-onset focal segmental glomerulosclerosis : R229O is a common disease-associated allele"Journal of Clinical Investigation. 110・11. 1659-1666 (2002)
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[Publications] Maruyama K.: "NPHS2 mutation in sporadic steroid-resistance nephritic syndrome in Japanese children"Pediatric Nephrology. (In press).
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[Publications] 塚口 裕康: "広範な家族歴を認めたIgA腎症の一症例"日本腎臓学会誌. 44・6. 526 (2002)
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[Publications] 塚口 裕康: "遺伝子異常からみた腎疾患 巣状糸球体硬化症"内科学. (印刷中). (2003)
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[Publications] 塚口 裕康: "家族性IgA腎症における候補遺伝子座IGAN1(6q22-23)ハプロタイプ解析"日本腎臓学会誌. (印刷中). (2003)