2002 Fiscal Year Annual Research Report
Podoplanin腎症における糸球体上皮細胞細胞内骨格と接着因子についての研究
Project/Area Number |
14571038
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
松井 克之 帝京大学, 医学部, 助手 (20256027)
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Keywords | podoplanin / aminopeptidase P / 糸球体腎炎 / 糸球体上皮細胞 / 糸球体内皮細胞 / 血管内皮細胞 / リンパ管内皮細胞 / 腎間質硬化 |
Research Abstract |
慢性糸球腎炎は持続する蛋白尿を特徴とし、末期腎不全の原疾患として重要である。慢性糸球体腎炎においては蛋白尿がその病勢の指標となり、また持続する蛋白尿は尿細管の萎縮を惹起し、さらに間質の硬化へと進展し慢性腎不全へと進行すると考えられている。この硬化病変に進行する過程において、腎間質における単球浸潤および脈管系の増殖の関与が想定されている。近年、慢性腎不全に進行した腎間質の脈管においては血管の増殖が優位であると言う説と一方血管の増殖は認められないと言う2つの相反した見解が報告されている。われわれは以前より糸球体細胞膜成分を抗原としてモノクロナル抗体を作製しLF3抗体(抗podoplanin抗体)、JG12抗体(抗糸球体内皮細胞・血管内皮細胞抗体)を得ることができた。今回このJG12抗体の抗原はaminopeptidase Pであることが明らかになった。また、これらの抗原を精製し家兎にそれぞれを免疫しポリクローナル抗体を作製した。さらに、この抗原の腎における局在を二重免疫標識法を用いて明らかにした。その結果、LF3抗原は糸球体上皮細胞および間質のリンパ管内皮細胞に、またJG12抗原は糸球体内皮細胞および間質の血管内皮細胞に特異的に存在することが明らかになった。 今回われわれは腎硬化性病変のモデルとして5/6腎摘ラット腎を用いて間質硬化性病変部位における脈管系の同定をこの2つの抗体を用いて検討した。その結果5/6腎摘ラット腎の間質には明らかにLF3陽性の脈管が増加していることが明らかになった。これらの結果より硬化性病変部位におけるリンパ管の増殖が単球細胞の浸潤に引き続き惹起されていることが明らかとなり、間質の硬化病変の進行にこれらリンパ管の増殖が重要な役割を果たしている事が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松井克之: "Heymann腎炎による蛋白尿"腎と透析. vol53.No.5. 581-586 (2002)
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[Publications] Kitahara M.: "Selective Cyclooxygenase-2 Inhibition Impairs Glomerular Capillary Healing in Experimental Glomerulonephritis"J. Am. Soc Nephrol.. vol13.No.5. 1261-1270 (2002)
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[Publications] Togawa A.: "Membranous glomerulonephritis associated with renal cell carcinoma: failure to detect a nephritogenic tumor antigen"Nephron. vol90.No.2. 219-221 (2002)
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[Publications] Hikita T.: "A case of fulminant acute poststreptococcal glomerulonephritis showing mesangiolysis and crescent formation"Nippon Jinzo Gakkaishi. vol44.No.7. 558-563 (2002)